先日のフリーダムにて、僕が歌い終えた後、クロールさんと歌のことに関して少しお喋りしました。
クロールさんは歌について忌憚無き意見をくれる貴重な御仁です。そして自分の創作秘話も結構しゃべってくださるので、話を聞くのが楽しいです。
歌作りの話は誰とでも出来るワケではありません。クロールさんに聞きたいことを思いつくまま聞いて、どの話にも興味深い答えが返ってきました。
“マニアックになると、これは大丈夫なのかと自分でも不安になる”、って意のことを仰ってましたね。自分は面白いと思うことが世間とズレているのでは、という不安は僕もわかる気がする。
この日、クロールさんは僕の歌について、
《短い曲に内容をよく収めている。曲が短いから観客に“足りない、もっと”って印象を残す(歌が短い方の例としてノーザンスターさんを挙げてました)》
または
《常に良いメロディーを書こうとしている(クロールさんの中では僕とバルンガ白さんが同タイプなのだとか)》
と感想をくださいました。ありがたや。
普段なかなか、突っ込んだ感想って面と向かっては言われないものですが、誉め言葉であれ苦言であれ、言って頂けるとありがたいものです。僕の歌に無関心でないってのがとても嬉しい。
感想は伝えるべきですね。最初に話す時は勇気がいるけど、どんな形であれ心が動いたなら、それを伝えた方がいい。自分だって言われたら嬉しいですもの。
意見を言われて《ああ、わかってくれてるな》もしくは《わかってないな》なんて思うのは、実はどちらも差異ないことなんだよな、と最近は考えるようになりました。自分ですら自分のことを完全にわかってるなんて言い切れやしないのだから。
でも《マシスは不器用だと思う》とのクロールさんの言は、ヤバいバレてる、と思いました。
そうです。僕は出来ないことが多すぎて、出来ることだけをステージで勝負しているのです。さも《これが僕の個性!》とばかりに笑顔でいつも歌っていますが、ようはコレしかできないのです。
難しくてカッコイイ技術への憧れはもちろんあるのですけど、それはそれ。出来ないことを鍛錬して身につけようとする面白さより、僕はトコトン横着して、すぐ歌いたい。何とか自分の出来る範囲の技術で格好つかないかとあがいているのです。
谷山浩子の新譜を聴いています。
『月に聞いた11の物語』/谷山浩子

前作の『夢見る力』より六年振りのオリジナルアルバム。聴くべきはこの音楽、という、谷山さんの歌は僕にとって汲めども尽きぬ滋養に溢れています。
「白雪姫と七人のダイジョーブ」は怖い。僕も最近、この手の怖さ(命は有限だと普段知らずに生きてること)をテーマに稚作でトライしましたけど、谷山さんのは怖さは立っている地平がモウ全然違う。敵いませぬ。
さもオドロオドロしく怖いことを言うヤツより、優しい笑顔で表情を変えない方が数倍怖い。ってことです。
「ジリスジュリス」も好きですね。こういうのもなくては谷山浩子ではない。ラストのオチが鮮やかです。
「パズル」はアイドルてんかすトリオに提供した楽曲。昨年の猫森集会でリクエストに応じて歌っていたのが印象的でしたので、今回のCD化は嬉しいです。
六年前、まだ幼稚園児だった娘は前作のアルバム『夢見る力』をやたら気に入ってしまって、ヘビーローテーションで聴き倒してました。今作はどうなることやら。僕はとても好きです。
そういえば谷山浩子はアリスをテーマに何曲も作ってますが、クロールさんの「ジョーカー」もソレに通じる世界観だな、と思いました
マシス