NHKの子供番組「フックブックロー」が始まった時、まだ小さかった娘と一緒に鑑賞していた連れ合いから、《フックブックローで流れてる歌はどれも良い》と、教えてもらいました。

 

フックブックローのCDが発売されたら絶対買おうね、といって、しばらくして出た1stアルバムを聴いたら本当にハマっちゃいまして。しばらくはヘビーローテーションで聴いたものです。僕個人としては2ndが一番好きなのですが、連れ合いの言うとおりとにかく良い歌ばかり。

 

番組オリジナル曲はすべて作詞家の大御所、山川啓介の手によるものでした。氏は番組の構成も担当していたのかな。毎日毎日、新しい歌が次々と流れて、このクオリティーで新曲を作り続けるって、すげぇなと。作曲でタッグを組んでいた服部隆之の作る曲がまた良い。子供向けと侮るなかれ、ですよ。

 

山川啓介は当時すでに結構なお年なはずなのに、そのエネルギッシュな創作のパワーを目の当たりにして、コリャ敵わん、参りましたって気持ちになりました。松本隆や阿久悠にも言えることですが、言葉から立ち上がる情景描写の鮮やかなこと、その視点と豊富なアイデアは他の凡な作詞家を圧倒しています。

 

 

僕がフックブックローで一番好きな歌、「そよ風ギャラリー」を貼ります。《一枚の絵は小さな宇宙》ってフレーズが素晴らしい。

「そよ風ギャラリー」/フックブックロー

 

↑当時、僕も美術館の歌を作ってみたくてアイデアを持っていたところ、「そよ風ギャラリー」を聴いて愕然とした。ああ、ヤラレタ、と。絵を飾る空間をこんなにも短い言葉でチャーミングに歌われちゃったら脱帽です。ステージで何回もカバーさせてもらいました。

 

その後、僕もしばらく試行錯誤して、稚作「不自由な絵画」をなんとか作りましたが、どんなに言葉を連ねても「そよ風ギャラリー」の2分50秒にはとても敵わない。山川啓介恐るべし。

 

 

 

山川啓介が亡くなられたと聞いて、これでもうフックブックローの新曲は永遠に聴けないのだと思ったら、淋しくてたまらなくなった。半世紀も長きに渡って現役で居続けた氏の冥福を心よりお祈り申し上げます。

 

 

山川啓介氏死去=作詞家「聖母たちのララバイ」、72歳
 岩崎宏美さんの「聖母たちのララバイ」をはじめ幅広いジャンルで多数の歌詞を手掛けた作詞家の山川啓介(..........≪続きを読む≫

 

 

 

 

 

 

マシス