雨のせいか、寒さで目が覚めた。いきなり訃報が飛び込んできた。
かまやつひろし。享年78歳。この笑顔がもう見れない。悲しい。
音楽、身のこなし、考え方、センスの塊のような人でした。僕の親父より年上なので、世代的にはリアルなミュージシャンではないのですけど、この人と音楽の話をしてみたい、と思わせる雰囲気がムッシュにはあった。作曲のこと、ステージのこと、ギターの弾き方のこと、テレビの発言や自伝『ムッシュ!』の内容からも、"ムッシュの言うことはわかるなー"とずっと思ってました。
ことさら哀愁を良しとする邦楽文化の中で、かまやつひろしと鈴木慶一ほど自覚的に演歌要素を自分の音楽から排除してきた人はいません。本当に洒落ているのです。
ソロアルバムは二枚しか僕は持ってません。
1stソロ『かまやつひろしの世界』は、すべての楽器を一人で演奏した"一人多重録音"のアルバム。キース・ジャレットの一人録音アルバムに触発された、と自伝で書いてます(ポール・マッカートニーよりも先だったと威張ってました)。スパイダースのレコーディングで入ったスタジオの余り時間を使って、少しずつ録音したとか。
ムッシュというと、僕が思い出すのは今井美樹に提供した「Tea For Two」、そしてカヒミ・カリィとのデュエット「若草の頃」です。
「Tea For Two」は今井美樹のオリジナルがyoutubeで見つからない。こちらはインストですが、せめてメロディだけでも。
「Tea For Two」/ 作曲かまやつひろし
「若草の頃」/カヒミ・カリィ
この歌は本当に大好き。小山田圭吾のチャーミングな曲にムッシュの歌声がホント素晴らしい。
「やつらの足音のバラード」
「ゴロワーズを吸ったことがあるかい」/かまやつひろし
フリフリ’69/ザ・スパイダース
デビュー前のユーミンはスパイダースの大ファンだったらしく、"ムッシュの骨は私が拾う"と、ずいぶん前にユーミンが言っていたのを思い出します。哀悼
マシス