横溝正史の短編が新しくドラマになると聞いて、ちょっと興味をそそられました。連続ドラマは苦手だけど金田一の短編なら観てみようかな、と思ってたら、あっさり録画し忘れた。昨夜が第一夜だったらしいのです。残念。観られた方いますかね。

あと、今夜と明日放送があるようなので、今夜は録画してみようと思います。それで面白かったら、一夜目を見逃したことを悔やむだろうな。

ちなみに金田一耕助は池松壮亮とか。池松さんの顔を僕は知らないのですけど、もはや金田一耕助は誰が演じても良いって心境なので、問題ないのです。目くじらを立てるほどのアレでもない。

金田一耕助の風貌と言えば、ヨレヨレの和装にボサボサ頭がお馴染みですが、あの金田一ルックスが世間に定着したのは石坂浩二が「犬神家の一族」で演じてから、というのは有名な話。それまではスーツ着ていたり短髪だったりで、原作の冴えないイメージから格好良く見映えするように変えちゃってたのですね。おそらくは池松金田一もヨレヨレでしょう。そうあってほしいと個人的に思います。
 
今思えば、石坂金田一があそこまでブレイクしたのは、ようやく小説のイメージに添った金田一耕助が現れた!とファンにウケたのが大きいんじゃないかしら。ちなみに僕個人としては、石坂浩二より古谷一行の演じた金田一耕助をこよなく愛するものです。


そこで、いま僕は原作を何冊持っていたっけ?と本棚を見てみました。


持っていたのは、以下


161125_1247~47.jpg
 
「本陣殺人事件」
「獄門島」
「悪魔の手鞠歌」
「女王蜂」
「悪魔が来たりて笛を吹く」
「迷路荘の惨劇」
「悪霊島」
「仮面舞踏会」
「金田一耕助の冒険1」
「金田一耕助の冒険2」

これだけでした。手放したのも何冊かありますが、「八ツ墓村」「犬神家の一族」は元々ありません。映画で観て話を知ってるから、と後回しにしてるうちに買いそびれたのです。


あらためて読み返してみても、横溝正史の本はとても面白いです。世間的に“本格推理小説の大家”といわれる横溝ですが、横溝はトリック命、トリックの鬼と言われるほどトリックありきの小説なので、犯人の動機がだいたいにおいて無理があったりする。“わざわざそうやって殺す意味なくない?”ってモノばかりなのですが、それさえ笑ってしまわなければ、こんなに面白い小説はないです。文章、読みやすいし上手いですよ。エッセイとか書かせてもすごく面白いですもの。



僕の個人的に思い入れのある作品は、初めて読んだ長編「悪魔が来たりて笛を吹く」です。《ああ、もしこの時、金田一がレコードを聴いていたら、その後に起こる事件を防げていたかもしれないのに!》などの煽りの文章にニヤケます。稲垣吾郎主演でドラマ化されたのですが、これがなかなか良い出来栄えだった。あの《悪魔の楽曲》の謎をちゃんと説明したのは過去の映像作品ではなかったと思う。それだけでも評価されるべきです。密室トリックを一つ削っていたけど、ラストの成宮寛貴の演奏シーンのインパクトですべてが許された気になりました。。

「悪魔が来たりて~」は最初に金田一のどの本から読んだらいいかわからない、という読者にも勧めたいですね。もしくは「獄門島」、「本陣殺人事件」がいいかな。「悪霊島」は横溝初心者にはすすません。



マシス