ボブ・ディランがノーベル文学賞を受賞した後、初の公演となったのがDesert Tripというフェスのようで、たくさんのメディアが訪れたようです。

 

(このフェスは、他に、ニール・ヤング、ザ・フー、ロジャー・ウォーターズ、ポール・マッカートニー、ローリングストーンズ、と、そこにボブが加わって、まさにレジェンドなラインナップ。映像発売してほしい)

 

僕もその演奏をyoutubeで(お客が撮影したものを)観ましたが、これがたいへん良い演奏で、興奮しました。ディラン、格好良い。このセットリストを日本公演の時に観れていたら、満足も大満足で昇天してしまったでしょうね。

 

「Like A Rollng Stone」


文学賞の受賞について、いまだ公になにもコメントをしていないディラン。この日三年ぶりに「Like A Rolling Stone」を演奏したのは、沸き立つ世間に向けての、ディランなりのサービスだったのかもしれません。

 



私事ですが、僕は娘が生まれた朝に、一人車の中で「Like A Rolling Stone」を聴いていました。自分が父親になった朝の気分にはは、はたしてどんな音楽が似合うのものか、と考えたら、なぜか、「Like A Rolling Stone」以外頭に浮かばなかったのです。

 

 

受賞のニュースをうけて、これを機にディランを聴く人が増えてくれれば、と、多くの人がコメントしていましたが、僕はそこでちょっと、“聴いてみたけど無理だった~”ってなことに多くの人がならないかしら、と不安な気持ちになりました。だって、それっくらいディランはクセの強い人だし、やみくもにディランの名曲と言われている楽曲を聴いても、慣れてないと身体が受け付けないんじゃ、と思うのです。実際に、僕がそうでしたから。

 

僕だって、今ディランの聴きたいアルバムを選ぶなら、『追憶のハイウェイ61』、『ブロンド・オン・ブロンド』を挙げますが、これは正直、ディランにどっぷり中毒になってから大ハマりしたアルバムで、まったくのディラン初心者には敷居が高いと思う。

 

僕のディランにハマったきっかけは、70年代以降です。アルバムでいうなら『血の轍』、『スロー・トレイン・カミング』、『インフィデイル』、『オー・マーシー』辺りでしょうか。この頃のディランは音が洗練されていて、とても聴きやすい。

 

それまで、“ディランって、大物だと言われてるけど、歌声も音もキッツイなぁ。何が良いのかよくわかんないよ”と思いつつ無理に聴いていたタガが、『血の轍』を聴いてポーンと外れた。受けつけなかった反動で、一気に好きになってしまったのです。最近のブツブツ歌う声も、猫みたいにミャーギャー歌う声も、大好きになってしまったら、すべてがボブ・ディランで、すべてがカッコイイと思えるようになった。

 

ちなみに、いろいろ聞いてみて、僕がいま一番好きなディランの歌は、「夢の続きSeries Of Dreams」。これ、ホント名曲。

 

「Series Of Dreams」

 

 

イントロから地平線が見えてくるかのようでしょう。この歌で、ディランって良いかもと思ってくれる人がいたら良いな。この歌でなくても、いろいろ聴いてみて、自分にピッタリくるディランに出会えたら、ディランは生涯の友達になってくれます。出会えたら、良いですね。

 

本当はもっといろいろとディランのオススメを貼りたかったけど、権利の関係かオリジナルの音源がみつからない。残念

 

 

 

マシス