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愛知芸術劇場、この日の僕の席は三階席最後列。ステージ真正面で、前の列の人がいなくて視野はバッチリ。遠いけどステージの全容が伺える良席でした。



会場内にスティリー・ダンの流れる中、定刻18時を五分ほど過ぎて暗転。大歓声!そしてあのイントロと同時に緞帳が開きました


1.シュガータイム

名盤ライブに来られなかった人には何よりのプレゼントです!オリジナルアレンジにオリジナルのキー。元春ハンドマイクで熱唱。声もよく出てます。“I Need You”の囁きもバッチリ。

“Do You Remember/あの時の二人/Do You Remember/あの日の輝き”ではコヨーテ達のコーラスが見事に決まりました。


「シュガー・タイム」はなんて愛らしくも素敵な歌なのでしょう。この歌を僕がいかに大好きだったか、もちろんみんなが大好きなナンバーでしょうけど、オリジナルアレンジで聴くと身体が思い出しますね。このまま「HAPPY MAN」が始まるんじゃないのか、と錯覚しちゃう感動です。


2.優しい闇

二曲目は最新作『BLOOD MOON』から。新旧を織り交ぜての滑り出しが嬉しいです。照明が素晴らしく豪華!色鮮やかな光が美しく旋回してステージを盛り上げました。

ハンドマイクで歌う元春ってかっこいい。ポーズが凄く見栄えして、見とれてしまう。動きもやたら元気で、良いです。



告白すれば、ステージ左方にいるギタリストを見て、《あれ、左利き(アッキー)じゃない?ああ、長田進か!》と、僕はここで思い出した次第。長田さん失礼シマシタ。



元春

“今夜はこんなにたくさん集まってきてくれて、どうもありがとう!35年、長かったような、あっという間のような、長いような(笑)。しかし、いくら僕が歌を作っても、僕の音楽を発見してくれる皆がいなかったら、僕は、今ここに立ってはいなかった。僕の音楽をずっと応援してくれた皆さんに、ここでもう一度、お礼を言いたいです。どうもありがとう”


うーん、泣かせます。以前、元春の発する“どうもありがとう”は凄く良い!と言ったのは漫画家の江口寿史でしたが、僕も全く同感。



そしてアコースティックギターを抱えて、歌いだしたのはこの歌


3.ジュジュ

『ナポレオンフィッシュと泳ぐ日』からのナンバー。アレンジはセルフカバーアルバム『月と先制君主』のモータウンなイントロのあれ。僕の隣の席のお兄さん、元春が歌い出してそこで「ジュジュ」と気づいた様子。歓声を挙げてました。


元春

“35周年のコンサート、こんなにたくさん集まってきてくれて、すごく嬉しい。。だから、今日はたくさん曲を演る(拍手歓声)。次の曲は80年代に出したアルバム『visitors』から、タイトル曲の!”



4.ヴィジターズ


嬉しい。「visitors」大好き。僕が個人的な好きな元春の歌を今選んだらベスト5に入る。イントロから最高にノります。“This is a story about you!”僕も叫びました。


5.カム・シャイニング

元春がキーボードへ向かうので、何の曲?と思いきや、イントロで客は大歓声。元春はイントロの効果音チャカポコチャカってアレを弾きました(何のこと?と思われるでしょうが、ライブに行かれる方はぜひ確認してください。イントロで聞こえるアレです)。


歌詞の“休みが取れるほど穏やかな世界じゃない”を一カ所飛ばしたのはご愛嬌。



元春

“今日はたくさん演奏するので、皆も立ってばかりでは疲れるから、途中、座ったりして休んで欲しい。”

この言葉に促されて、結構な人数が座りました。




6.ワイルド・ハーツ

で、結局はこの歌ですぐ立ち上がってしまうのですねー。人騒がせです。「WILD HEARTS」の演奏はやはり生のホーンが入ると最高。ご機嫌ですよ。


元春がキーボードに座り、両手で“座って座って”と促すと、今度こそ全員着席。次はバラードかな、何やるのかなと思っていたら、イントロが鳴り、観客からため息ともつかない歓声があがりました。



7.バルセロナの夜


これは嬉しかった。僕は以前ライブでいつ聴いたか、思い出せない。初めてじゃなかったと思うけど、でもオリジナルキーのオリジナルアレンジでは初めてかも。聴けて嬉しい。お得感をもらいました。



8.すべてうまくいかなくても


この歌はフルーツツアー以来の演奏かしら。いや、フルーツツアーの時も地方ツアーではやってなかった気がする。ビデオでは観ましたけどね。やはり久しぶりでお得感です。



9.ポーラスタア


アルバム『ZOOEY』から。高桑圭のベースが鳴り響き、再びみんな立ち上がります。アッキーのギターフレーズを長田進が忠実にコピーしていたのはさすが。元春はハンドマイクで舞台を右往左往します。空を仰ぐように手を広げて“ほら、見上げてごらん”と歌います。三階席の僕にまで歌ってくれているかのようでした。


この日の僕、人生初、眼鏡着用でライヴ参加。遠いステージの様子がよく見えました。オペラグラスみたいだ。眼鏡バンザイ。



10.君を探している


このアレンジはすごいですね!いきなり何の曲かわからないので新曲かと思ったぞ。しかしなんてカッコいいアレンジでしょうか。秋ツアーの時よりさらに力強くなったんじゃないかしら。このイントロで新曲作ってほしいくらいです。秋ツアーではオープニングでしたけど、これが一曲目でもバッチリでしたね。



そしてまたまたキーボードに座って、両手で“座って座って”と合図。観客着席。立ったり座ったりが忙しいですけど、後々になって、これが元春の本気の気遣いとわかるのです。



11.希望

アルバム『THE SUN』からのナンバー。深沼君がイントロでマンドリンをつま弾いてます。力の抜けた良い感じの演奏です。


ここまで聴いて、ああ、このツアーはすべてのアルバムから一曲は演奏しようとしているな、と思い立ちました。


元春

“35年間、素晴らしいファンと、素晴らしい音楽仲間に恵まれてきた。80年代にHeartland、90年代からはHOBOKING BAND、そしてCOYOTE BAND。そのCOYOTE BANDと一緒に僕は三枚のアルバムを作りました。『COYOTE』、『ZOOEY』、そして『BLOOD MOON』!”


“『BLOOD MOON』はもう聴いてくれた?(歓声) アーァ(嬉しそうに)、、最高のアルバムになりました、、まだって人は、、、後ろで売ってます(笑)。『BLOOD MOON』からのナンバーを聴いてもらいたい。”



12.境界線


あの印象的なプロモの影響か、サビで体や手を振ってる人がちらほら見えました。サビのツーコーラス目からは、元春が左右に手を振って客を煽ってました。


この歌から背景の幕が上がって、『BLOOD MOON』のジャケを思わせるオブジェ登場。バックの空の写真と相まって雰囲気を醸し出してました。



13.La Vita e Bella


『BLOOD MOON』から『ZOOEY』に戻るんかい、とは突っ込まない。大好きな歌です!しかも、これは良い!長田進のギターの刻む太い音が迫力満点で、めちゃめちゃ興奮するサウンドを鳴らしてました。ロックギタリスト長田進ここにあり、です。僕はこの歌こそ21世紀の元春のアンセムだと思ってます。余談ですが、あと、「君の魂大事な魂」もアンセム。ライブで早く再演していただきたい。すごく聴きたい。



14.バイ・ザ・シー

イントロで元春がカウベルを叩き、続いてバンドの音が流れ込むアレンジ。“世の中は不公平だ”と元春が歌いだすまで、え?何の曲だっけ、と一瞬混乱しました。コヨーテ達のコーラスが実に美しかった。


よくよく見ていると、深沼君が歌うのと同じくらい、いや、それ以上にドラムの小松シゲルがコーラスで歌っているのに気づきます。しかも上手い。ドラム&コーラスといえばシータカを思い出しますね。小松君なかなかやります。



アコギを抱えて、再々の“座って座って”ジェスチャーをする元春。次は静かな曲かしら、「本当の彼女」かな、と思いきや



15.紅い月


立ってても良かったんじゃ?この曲を座って聴いてていいの?と、ちょっと思ったけど、元春が促したんだから良いのでせう。元気な曲で着席してると、ちょっといたたまれない気にもなりますね。山下達郎のコンサートみたいです。


でも、座って聴いていると《この歌って、こんなにも激しくロックなギターの音を使ってたんだ!》と改めて思いました。歌詞も言葉の一つ一つが胸に飛び込んでくる。じっくりと聞かせてもらいました。



16.私の太陽

激しいリズムのイントロに、再び客は立ち上がります。


しかし、ここでちょっと驚いたことが。間奏のピアノソロのところ、元春は渡辺シュンスケを指さしながら、“座って!座ってシュンちゃんのピアノを聴いて!”とばかりに客の着席をジェスチャーで促したのです。


客はやや戸惑いつつも着席。シュンちゃんの気合のソロに大きな拍手を送りました。そのまま激しくリズムがうねる演奏を着席したまま堪能したんです。


うーん、曲の途中で座らせるなんて、初めてじゃないですかね。素敵なソロでしたけどね


17.東京スカイライン


これは着席していたままでバッチリな歌ですね。最新アルバムの中で僕がいま一番気に入っているナンバーです。ライブで聴けて本当に嬉しいですよ。聴いていて、まるで身体全体どこかへ連れていかれるような、そんな浮遊感に包まれました。逆光の照明にあてられたエンディングは、あたかも雲の上にいるかのようだった。凄かった。



その光が会場を照らす中、神々しくバグパイプの音が会場に鳴り響き、歓声が上がります。


もちろん、この曲



18.ボヘミアン・グレイブヤード


昨年の秋ツアーで最高に盛り上がったのが記憶に新しいこの歌。サックスとトランペットが煽り、元春のスキャットが狂ったように炸裂して、この夜も会場を盛り上げました。




長々とここまで書いて、ようやく半分。一度に書ききれなくてすみません。2に続きます





マシス