夜更かししていたら、一曲歌詞が書けました。

実は、およそ五年越しに言葉を探していた歌で、これが新曲って感じは自分ではあまりしないのですが、

なんとか出来て良かった。諦めずに考えていれば何とかゴールに着くものですね。



「おぼろ」


坂道 駆け足
まばたきする間に
気づけば一人で
薄闇 影踏み

悪戯な風を
足元に
月明かりが
夜の底を這う


馴れ合い じゃれ合い
あなたの隣で
喋ったり 黙ったり
数えた年月

近づいて
胸の軋むまで

朧気な色と形が
溶け合う時刻に

近づいて
胸を軋ませて

陽の光が朝の縁で
手を振るまで


ものみな静かで
青白く世界は
夢を見続けていた

気が遠くなるほどの
長い長い時間




2009~
2014/11/30 1:58



以下、蛇足



発想のネタ元は、諸九尼という人の俳句、

“朧夜の底を行くなり雁の声”

に感動して、影響されたというか、まんまの歌です。

感想文ならぬ感想歌、といったところでしょうか。

僕がこの句を知った時に“これ、すげぇ”と思った気持ちを、歌でやれないだろうか、と最初にムチャな命題を掲げてしまったため、苦労しました。

結局は分布相応な命題は考えないようにして(作れやしないから)、いろいろと考えていた言葉の装飾をかなり間引いて

こじんまりしたけど、この歌はもうこれで良しとします。

“朧夜の~”の句にはとても及ばないですが、おかげで一つ歌が作れました。


聴いた方々が、この歌に各々の“薄闇”を見つけてくださることを願って




マシス