話題としては時期遅れかもしれませんが、映画のサントラCDを買いました


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「シュガーマン~奇跡に愛された男」

 

 

本国アメリカで全く売れず、存在も消息も知られないミュージシャン、ロドリゲスのアルバムが、実はアフリカでひそかなヒットとなっていた。果たしてロドリゲスは今?奇跡の復活劇!


公開されて以来、ロドリゲスのアルバムの売上がamazonでトップになるなど、話題騒然となった映画だそうで。

久々に凄く気になる映画なのです。これは映画館で是非とも観たいと思っていたのですが、静岡ではどうやら上映はないまま終わりそうです。早くDVDにならないかしら。


で、とりあえずサントラですよ。ロドリゲスの歌声をとにかく聴いてみたかった。


ロドリゲスの発表した現在ある二枚のアルバムより選曲されたこのサントラ、ロドリゲス・ベストという内容というので手を出しましたが、一聴した印象はなかなかカッコイイ。


しかし、僕は聴きながらふいにアルゾのことを思い出して、アルゾが聴きたくてしかたなくなったのです


ああ、アルゾ



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美しい歌声と12弦ギターの音色が印象的な、この1stアルバムと、アルゾの物語もまた、思い返すたび胸が詰まります


30年前に出たこの1stアルバムをこよなく愛する長門芳郎さん、アルバム再発の為に消息不明のアルゾを探し続けていたそうです。


何年も何年も探し、


果たしてアルゾは生きていた



ミュージシャンの夢破れ、町の家具屋の主人となっていたアルゾ


彼は言います

《いつも夢みていた。いつか誰かが自分の音楽を発見して、自分を訪ねて来てくれるんじゃないかと。待っていたら30年も経ってしまっていたわけさ》

まさか遠い日本で自分を探している人がいるなんて、さぞ驚いたことでしょう


長門芳郎氏がアルゾと会った時、二人は黙ったまま固く抱き合ったそうです。ようやく見つけた!という長門氏の喜び、よくぞ見つけてくれた!というアルゾの喜び。泣けますね。


そしてアルゾは長門氏を自宅に招き、12弦ギターを抱え、氏の為だけに何時間もに歌い続け、今後の活動について話し続けたそうです


1stアルバムの再発、録音されたがついに発売されなかった幻の2ndアルバムの発売、未発表曲のアルバム、そしてニューアルバム制作!コンサート!来日!と、話はつきなかったとか。


そして2003年、ついに1stアルバム「アルゾ」の世界初CD化実現!



僕もこのCDで、アルゾの存在と音楽を知り、再発に至るエピソードを知ってさらに感動したわけです。



アルゾも、家族も、町の友達も、アルゾのCD発売をこよなく喜んだとか。そうでしょう。30年です。長すぎる時間を経て、ようやくアルゾの音楽が再評価される時が来たのです。



2004年、1stアルバムも売り上げ好調。いよいよ幻の2ndアルバム発売に向け、家具屋の仕事を終えた夜せっせとライナーを書き、世界中からの新しいファンからのメールに返事を書く。そんなことが楽しい日課となったアルゾ。



そして



とある夜、なじみのバーで友人達と一杯やっていて、アルゾはいつものように冗談を飛ばしていた


ある友人が、


《日本のファンに音楽も評価されて、片手に酒があり、周りに親しい友人がいる。死ぬならまさに今夜が最高だろう?!》


と冗談を言った


その15分後、カウンターに頭をぶつけるように崩れ落ちたアルゾ



奥さんの必死の人工呼吸にも関わらず、ホントに亡くなられてしまったのです。



長く書きましたが(これでもかいつまんであります)、ここまでのエピソードはIst、そして遺作となったセカンドアルバムのライナーノーツに書いてあります。読んで、僕は思わず落涙しました


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なんで今死ななくちゃならない?!これからなのに、ようやく世界がアルゾに気付こうとし始めたのに



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僕も周囲の音楽仲間のお兄さんにアルゾの死を訴え、2ndアルバムを聴いてアルゾを偲びました。


あるお兄さんは《1stアルバムよりいいじゃないか》と言い、僕はただ今後二度と聴けない新譜(アルゾはどんなに作りたかったことでしょう)に思いを馳せました


『シュガーマン』のロドリゲスは、生きていてよかったですよ。映画公開後に企画された彼のコンサートは連日ソールドアウトで大成功だったとか。


それを思うと、やはりアルゾには死んでほしくなかった。生きて、日本に来てコンサートをやって欲しかった、ファンがアルゾを観るために集まってくるのをアルゾに実感して欲しかった


30年もかかったけど、あなたは、あなたの音楽は、こんなにもみんなに求められていたのだよ、と知って欲しかった



彼は幸せであった、と信じたいですけどね。悔しい




mathis