本のネタばれがあります。未読の方はご注意下さい



昨夜、なゆた浜北より帰宅した後、村上春樹の新刊を読み終えました。
音楽家の居る庭 ~mathis~-130412_1355~02.JPG

面白かった。

最初の50頁くらいまでは読み辛くて、結構キツかったけど、そこからはやめられない止まらない。

読了した気分はなかなかのものです。僕これ、すごく好きですよ。前作の「1Q84」よりもずっと僕の好きな村上春樹です。のめり込めました。

よく、登場人物に感情移入する、みたいな表現がありますが、僕の村上春樹本の感想は


物語の世界を、主人公の視点を通して擬似体験する間、やたら心地良いということ

これに尽きます。


村上春樹の文字を目で追っている時間が、まるで良質の音楽、アルバム一枚を聴いているかの気分に浸っていられるのですね。

だから何回も読んでみようかな、と思わせてくれる。まるでお気に入りのアルバムをプレイヤーにかけるように


僕にこの感覚を小説でくれる作家はすごく稀です。村上春樹の他は吉本ばななの数冊くらいかしら


「1Q84」や「ねじまき鳥~」とかは読み返すのに気合いが必要ですけど、「多崎つくる」は、もう一度すっと読みたくなる本です。



ここからはネタばれかも知れないのでご注意ですが、


物語が結果どうなったか、途中の謎をそのままにして放り出すように終わる。村上春樹の本によくあるパターンです。

僕としてはある程度すっきりとオチの着いた本が好きですけど、今作は盛り上がってる時に、さてどうなるどうなる!?って思ったらいきなり終わる。やられたーって思いました。


この、なんとも言えない読後の感覚がまた、ねぇ?


「ノルウェイの森」の時の放り出し方もすごかったけど、今作はかなり気になりますよ。

きっと作者としては、多崎つくるがフィンランドへ行ったところで、一応物語のオチが着いているってことなのでしょう。それはよくわかります。氏にしてはすごくまっとうな、綺麗な物語です。

だから、シロの事件の犯人とか、沙羅と一緒にいた男の素性とかは、まぁ百歩ゆずって置いておけるけど

せめて沙羅とつくるが上手くいったかどうか知りたい

たぶん上手く行くのだろう、って思うよ?でも、もうちょっとね



気になるじゃないかー


ああ、まんまと作者の術中にハマってますね





mathis