演歌は日本の心だと言います。僕は今でこそ“演歌も凄いモノはある!”と思うようになりましたけど、若い頃はあまり楽しめませんでした。



ウエットな音楽はずっと好きなのですけど、聴く分には陽の雰囲気にひたすら惹かれていったものですから、《演歌》《抒情フォーク》は、若き日の僕は頭で理解はしても、《これじゃない》と近づかないようにしていたフシがあります。


ですから、演歌は良い!っていう人の気持ちは、いまだ僕にはわかったなんて言えません。自分の中でそこは琴線が触れない部分なのか?とも思っていたのですが、


ふと、村下孝蔵にシビレてしまう自分の心情を考えると、《ひょっとして演歌好きってこういう気持ちなのかも知れないな》と思ったりもするのです。



そうです。村下孝蔵の話です



村下孝蔵の歌が演歌だと言ってるのではないですよ。でもフォークとも違う気がする。むしろ歌謡曲に近いような?その歌のたたずまいは正しく日本人の情緒をくすぐり、抗えずグッと来てしまいます。あれって多分、演歌でグッとくる感情とどこか相通じるんじゃないですかね。



僕の演ろうと目指す音楽とは別物ですが、僕は村下孝蔵の歌が大好きなのです。



僕は10代の頃、今よりもっとキンキンした癖のある声をしてたのですが、それを治したくて、《こんな声になれたら》と、お手本にしたシンガーが二人います。一人は山本達彦、もう一人が村下孝蔵です。


村下孝蔵のあの歌声は心底憧れました。あんな風に丸く声を発声しよう、と、喉の開きとか、一生懸命真似して歌ったものです。

(けっきょく似なかったけど)




そう、昨日より突然、僕は村下孝蔵が聴きたくなり、CDを引っ張り出して聴いていたのです


何で急に村下孝蔵を思い出したのだろ?と、何気に本棚より村下孝蔵の本を取ってパラパラ読んでみたら


今月、もうすぐ村下孝蔵の命日なのですね
(6/26)



うわーって思いましたよ。村下孝蔵に呼ばれたのかとドキッとしました



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村下孝蔵ストーリー
/落合昇平著



これは村下孝蔵の亡くなった後に出版されたもので、ヒストリーオブ村下孝蔵と言うよりは追悼本の意が強い一冊。


時系列にデビュー前から話が進むかと思いきや、隔章で関係者による生前の氏の思い出話が挟み込まれ、その度に現実に戻される。正直読み辛い。けっして良い構成の本とは思えません。追悼寄稿は巻末にまとめるべきでした。




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僕にとっての村下孝蔵はこのベストアルバム『歌人』が全てです。何度聴き返したか知れないし、今でも聴きたくなります。トレードマークとなったジャケットの女の子も目に焼き付いてます。



後年、このアルバムはCD選書で買い直しますが、不思議とカセットテープの方が音がふくよかな気がします。だからCDではあまり聴いてません(真剣にリマスタリングして再発して欲しい)。



そういえば、オリジナルアルバムってちゃんと聴いたことないのですね。『歌人』があまりに良すぎて、あれで満足しちゃってました



そんな僕が唯一持ってるのは


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『かざぐるま』


「初恋」のヒットから少しのブランクを経て発売された、当時まさにファン待望のアルバムでした。アルバム自体は全体的に地味な印象ですが、先行シングル「かざぐるま」はかなり気合が入ってます。少し肩に力が入った感もありますが、シングルとしてはばっちりでしょう。




今はこんな風に、イヤミなく情緒を歌える若手っていないですよね。情緒がクサクなく似合うのは、古今東西村下孝蔵しかいないのかも知れませんね。





余談ですが、アマチュアで《瀬戸の島人》って人がいます。この人の歌声がもう、村下孝蔵そっくりで、ご自身で録音された「初恋」の弾き語りを昔ネットで聴いて感動したものです。今でも歌ってらっしゃるのかな。youtubeとかにいないかな。











mathis