僕は大学時代個人塾でアルバイトをしていました。

 

そこでは中学生の数学と英語をメインで、たまに理科(専任講師が留守の場合)を教えます。


 

教えると言っても一人で1クラス(20人ほど)を受け持つ訳ではなく、常に塾長と2人で担当。

 

その塾は塾長1人だけが黒板で説明をして、クラスごとにアルバイトの大学生が一人補助について教えるというスタイルを取ります。

 

結局4年間そこでお世話になりましたが、何人か印象的な生徒がいました。

 

その1人がF田くんです。

 

彼は全ての教科において優秀でしたが、なかなか個性的な性格で周りに馴染めず、クラスで浮いた存在となっていました。

 

そこの塾では週に1度生徒同士で教え合う「学び合い」の時間が設けられていましたが、彼の解法は独特で、特に数学では彼自身にしかわからない方法で解くため、初めは集まっていたクラスメイトも時間が経つと誰もいなくなってしまいました。

 

そこで「学び合い」の時間には僕がF田くんの相手をし、塾長が他の子供達の様子を見る というスタイルが出来上がりました。


 

初めは僕も彼の独特な思考法を知りたくて色々聞くのですが、F田くんは全く心を開いてくれず、僕の存在を無視して持参した問題集(高校生向け)を眺めているばかりです。


 

こっちとしても彼の頑(かたく)なな態度に腹が立ち、ある時「じゃあ俺も勝手にするわ」とばかりに高校時代に買ったは良いけど読んでなかった「ホーキング宇宙を語る」を読んでいました。


 

が、読み始めて間もなく横に座っているF田くんの視線がじっと僕の持っている本に注がれている事に気がつきました。

 


「この本興味ある?」と聞くとそれまで返事もしてくれなかった彼が「うん」と返事をしてくれました。


「貸そうか?」「うん」の会話の後、彼はホーキング博士と宇宙の世界に夢中になっていきました。

 

それから彼と僕の距離は急速に近づいていき、帰りの方向が同じだった事もあり色んなことを話す様になりました。


内容はアインシュタイン方程式や統一場理論の矛盾点、当時流行りの数学の分野についてなどかなりマニアックな話題です。


 

そして彼の興味深い能力が判明しました。

 

例を挙げると

・問題を見ると答えが頭に浮かぶ(特に数学)

・一度目を通すと意識しなくても頭に残る(文字でも図形・グラフでも)


これが彼にとっては普通のことで、「覚えられない・わからないと言っている同級生の事がわからない、話が通じない」と真剣に悩んでいました。

 


彼はこの時中3で僕は一年間しか関われませんでしたが、初めて天才という人種に触れました。


日本中には沢山いるのでしょうが僕の周りにはいませんでした。


 

その後僕が大学を卒業してから聞いたのですが、彼は東京工業大学に入学したそうです。


 

メジャーな東大・京大じゃ無いところが彼らしいなと妙な感想を持った覚えがあります。



タイトルにあるgiftedの説明です。

    

ギフテッドGifted)、知的ギフテッドIntellectual giftedness)とは、先天的に、平均よりも、顕著に高い知性と共感的理解、倫理観、正義感、博愛精神を持っている人のこと。外部に対する世間的な成功を収める、収めないにかかわらず、内在的な学習の素質、生まれつきの高い学習能力や豊かな精神性を持っているということである。
(Wikipediaより抜粋)


 ギフテッドの子供達は周りに馴染めず、苦労することも多いようです。

https://www.nhk.or.jp/gendai/articles/4320/index.html


 




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