先日、「サリバン先生」の本を紹介しました。

 

 

それで思い出したのが

「シーラという子」という本です。

 

 

サリバン先生が、目や耳が不自由な子供達の教育をしていたのに対し、

トリイという先生は様々な心の問題を抱えた子供達の教育に携(たずさ)わる本です。

 

知能に問題がある子も勿論含まれますが、普通の学校では手に負えないような子供達が「最後の砦」として、トリイ先生の元にやってきます。

 

 

どれくらい手に負えないかというと

「犯罪を犯してしまうような子」や、

極度の自閉症・情緒障害、壮絶な虐待によるPTSDに苦しんでいる子供達などです。

 

 

ヘレンを「何も知らない野生児」と例えるなら、

シーラは「人を襲ったことがある凶暴な、かつ知能の高い虎」と言っても過言ではないでしょう。

 

 

ヘレンは裕福な家庭に育ち、両親の愛情もたっぷり受けて心は荒(すさ)んでいませんから。

 

 

シーラはわずか6歳で傷害事件を起こします。3歳の男の子に火をつけるという恐ろしい事件。

 

 

大の大人でも尻込みするような問題児です。

 

 

この子供にまだ若いトリイ・ヘイデンという女性教師が全力で立ち向かっていく実話です。

 

 

トリイ先生ご自身が書かれた本です。

 

 

そのあまりの凄まじさと臨場感には息を飲みます。

 

 

決して楽しい本ではありません。

 

 

ただ、世の中にはこういう子供がいて、そこに心血注いで全力で立ち向かう大人がいると知ることはとても大切だと考えます。

 

 

トリイ先生の情熱、愛情で救われた子供達はどれほどいるでしょう。

 

 

「トリイ先生のような方がこの世にいて良かった」

と、僕までも救われた気持ちになり、畏敬の念すら感じます。

 

 

冒頭でシーラを「知能の高い虎」と表現したのは、続編で「タイガーと呼ばれた子」というのが出ているからです。

 

 

綺麗事のないノンフィクションです。

気になった方は1度読んでみて下さい。

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

トリイ先生の他の著者。

他にも沢山ありますが、とりあえず読んだものだけ挙げておきます。