エサレン研究所とビーチボーイズに憧れて ~ 心理学と音楽の接点 ~ | 数学を通して優しさや愛を伝える松岡学のブログ

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アドラー心理学的な世界観のコラムやエッセイを書いています

私はセミナーの際のグループワークを大切にしています。

暖かな雰囲気がグループを包み込むように感じることもあります。

 

そういえば、

 

グループワークのルーツはどこなのだろう?

そんなことを考えていたら、
60年代のカリフォルニア、エサレン研究所にたどり着きました。


エサレン研究所は、心理学や哲学、ボディワークなどを始め、

様々な分野の人々が交流し、実験的な試みをした施設です。


温泉が湧き出る自然豊かな場所にあり、

かつてその地で暮らしていたネイティブ・アメリカンの部族の

名前をとって、「エサレン研究所」 と名づけられました。

 

 

 


心理セラピストのフレデリック・パールズはエサレン研究所を拠点として、

セミナーやワークショップを熱心に行っていました。


彼のゲシュタルトセラピーは、表面的にとりつくろう言葉ではなく、

感情をありのままに表現することを求めました。


秘めた感情を出すことで、「気づき」 が起こり、

心の問題が解決し、癒されるのです。

深い感情を出し合い、気づきに満たされた癒しの空間。

自身の内面を深く見つめ、参加者たちは涙しました。


パールズは言います。


「エサレンでは泣くことはスティタスを表している。

 『男は泣いてはいけないよ』 は、『よく泣きなさい』 に取って変わられた」


「私は心が開かれたときに流れる優しい涙が好きだ」

 

これらのことからも、
泣くことは心の浄化なのかなと、私は感じています。


パールズの開発した 「エンプティチェア」 や 「ホットシート」 は、

現代の日本の心理セラピーに大きな影響を与えています。

 

 


 

 


同じ頃、

カリフォルニアを拠点としたビーチボーイズの音楽が、

アメリカで旋風を巻き起こしていました。

 

「サーフィン」 「車」 をテーマとした陽気なサウンド、綺麗なハーモニーで、

イギリスのビートルズに匹敵する存在でした。

世界中で大変な人気を誇ったビーチボーイズですが、


やがて、リーダーのブライアン・ウィルソンは内向的な面が強くなっていき、

枠にとらわれない斬新なサウンドを追求するようになっていきます。


ビーチボーイズの楽曲は陽気で明るいサウンドから、

内面的で不思議な雰囲気を秘めた音楽へと変化しました。

 

 

ビーチボーイズ 「サーフィン・サファリ」

※ ビーチボーイズの初期の魅力がつまった楽曲です。

 

 

 

ビーチボーイズ 「サーフズ・アップ」

※ 悲しいほど美しい、そんな思いにさせられる名曲です。

 

 

上の2曲を聴き比べると、その音楽性の違いに衝撃を受けます。

 

わずか数年後に、ビーチボーイズが同じ 「波」 をテーマに、

こんなに深い楽曲を作り上げるなんて、誰が想像したでしょうか?

 

 

ビーチボーイズの音楽は、山下達郎さんを始め、

日本の音楽シーンに大きな影響を与えています。

 

私自身もビーチボーイズの音楽は大好きです。

また、日本のアーティストでは、私はLRを好んで聴きます。

 

LRの楽曲を聴くと、

ビーチボーイズへの深い尊敬や愛情を感じて胸が熱くなります。

 

 

LR 「恋のタンブリングダウン」

 

 

音楽の流行に惑わされず、

自分たちのやりたい音楽を純粋に表現しているLRは、

素晴らしいと思います。

 

「本当にやりたいことをやる」 ことの大切さを、

私たちに教えてくれているように感じます。

 

 

パールズのゲシュタルトセラピーとブライアン・ウィルソンの音楽・・・

 

これらからは、「内面の探究」 「場のグルーブ」 「聴衆の熱気」 などの共通点を感じます。

 

 「グループセラピー」 と 「J-POP」 という2つの分野が、

 「60年代のカリフォルニア」

というキーワードで結びついたことは不思議だと思いました。

 

ただこれは、単なる偶然ではなく、必然なのかもしれないとも思います。

 

 

60年代のカリフォルニアで育まれたグループセラピーや音楽の心を

私自身、大切にしたいと思っています。

 

そして、私は暖かな雰囲気に包まれたセミナーをしたいと思っています。