ゲシュタルトセラピーを提唱したフレデリック・パールズは、
最後の半年間、カナダのカウィチアンで過ごしました。
カウィチアンはブリティッシュ・コロンビア州のバンクーバー島にあり、
その中心地ビクトリアの北50マイルにある湖のそばの小さな町です。
カウィチアンでパールズは、コミュニティを作りたかったそうです。
「気づき」を大切にして、集まった人々が
自立した前向きな生き方ができるようなコミュニティ。
セラピストを志す者が訪れて、学びを得られるような
センターにもしたいと願っていたようです。
自然に囲まれた場所、暖かい仲間、「気づき」を大切にしたセラピー、・・・
素晴らしい志だと思います。
< カウチン湖 >
パールズは、カウィチアンで充実したひとときを過ごしました。
セラピー、執筆活動、遊び、・・・
しかし、彼は(出版予定の)本の原稿を仕事仲間に預けて、
ヨーロッパに旅立っていき、
カウィチアンに戻ることはありませんでした。
翌年の春には帰ってきて本を完成させるつもりでしたが、
その冬にこの世を去ってしまいました。