ファーストアルバムで、情緒的な世界観をバンドサウンドによって表現したくるりですが、このセカンドでは音楽の方向性が変わってきました。
1曲目のイントロで「虹」のフレーズが現われ、ファーストの世界が胸をよぎるのですが、それもほんの一瞬の出来事で、すぐにセカンドアルバム『図鑑』の世界へと旅立ちます。
ファーストとはうって変わって、その斬新なサウンドが響きます。全体的に難解なイメージを持ちますが、難解さの中にもアーティストとしての芸術性を感じます。くるりの音楽性の成熟ぶりには驚きです。
このアルバムは、シカゴ音響派の鬼才ジム・オルークとのコラボレートでも知られています。
「惑星づくり」「窓」「チアノーゼ」「屏風浦」などがそうですが、さすがに音響派らしく、斬新ながらも味わい深いサウンドに仕上がっています。
個人的には、スーパーカーのナカコーによる「ガロン<ガロ~ンMIX>」が興味深いです。