久々なので、もう一本。老人ホームや高齢者向け住宅サービスを提供している上場企業って結構あるのですが、彼らの決算説明などを聞いていると、なんと言うか、長生きするのも大変な時代だなあとつくつく思ったりします。

 

歳をとってもボケたり、体が自由に動かなくなったりしなければ、もちろん何の問題もないのですが、現実にはアルツハイマーの症状が出たり、歩けなくなったりと、介護が必要な人が結構います。あるいは、そこまでではなくても、ちょっとした介護サービスを受けたいというニーズもあるみたいなのですが、これ、めっちゃ金がかかるのです。

 

年々膨張する介護保険市場。今でも結構保険料を取られていますが、65歳を超えると月に1−2万くらい強制的に全員取られるとか。それほどの財政規模になっているにもかかわらず、普通の人が介護サービスの整った施設に入ることはとても難しい。公的な特養ホームは安いけれど、入居希望者が何百人待ちとかザラで、運が良くないと、生きているうちに入れないらしい。そうなると、結局、親族の誰かが犠牲になる。もちろん、介護サービスをちょこちょこ利用してもです。じゃあ、民間の有料老人ホームに入れればどうなるか。安い部類でも月に20−25万くらい。うーんどうでしょう。年金が20万円くらい、貯蓄もそれほどないとなると難しいでしょうね。

 

一方、お金持ちの世界。高級老人ホーム。入居時に数千万、月々100万以上のサービス料。そもそも、なぜ、民間老人ホームは高額なものが多いのか?曰く「介護職員などの人件費は高級でもそうでなくても変わらない。他のサービスもそう。せいぜい、建物の内装が少し豪華だったり、食事が豪華だったり。その程度、コスト的には数万円のコスト差。一方で、低グレードの入居費は25万円、高グレードは100万円。儲けが全然違う。と言うことだそうです。うーん、資本主義もここに極まれり。身も蓋もないですが、ROICが高いのはどちら?となると仕方ないっすね。