実質金利がマイナスだからなんくるないさ〜♪との合唱に対して、一石を投じたのがGSとUBSのストラテジスト様。曰く、「確かに債券に比べればマシだけれども、金利の上昇で経済成長が鈍化するのだから株式だってダメっしょ」と。うーん、胸にストーンと落ちますね。更にGSのオッペンハイマー氏(格好いい名前っすよね)がおっしゃるには「(利上げによる総需要抑制で)経済成長が鈍化する以上、成長株のバリュエーションや業績は低下するだろう。一方で、コモディティ関連など、シクリカル銘柄の相対的な価値やバリュエーションは改善するだろう」だとか。これまた我が意を得たりという感じ。最近のGSの分析は素晴らしいな。

 

戦略備蓄の大量放出をいくらやっても、原油市場の構造的な問題は解消しないし、むしろ悪化させるとおっしゃっているのが、これまたGSのコモディティアナリスト。曰く「戦略備蓄というのは、エネルギー供給危機に対する最低限のライフラインを確保する為のものであって、原油相場を操作する為のツールではない」と。全くその通り。更に「むしろ、短期的に原油価格を抑制することで、中長期的には原油や天然ガスの開発意欲を抑え込むことになるから、中長期の原油価格見通しは、むしろ上昇する」とも。これまた我が意を得たり。過去の石油危機でもそうでしたが、中長期的な需給バランスは市場メカニズム以外に、効率的に解消する方法はないのです。これ、経済学部の大学生が習う程度の基礎中の基礎。政府が市場に干渉すると健全な投資が阻害されるわけです。

 

こうなってくると、相対的にオールドエコノミー中心な経済構造であり、いまだに金融緩和を継続している日本株、そして唯一、金融緩和と財政刺激策が強化されるであろう中国株が相対的にマシな投資先であろうとのグローバル投資家のご意見が光ってくるわけです。でも、個人的にはやっぱり中国経済かなあと。この辺りについては、また詳しく書きたいと思います。今日も何となく頑張ります。