サロマ湖マラソン(3完) | マラソンランナー日記

マラソンランナー日記

マラソンの話ばかりじゃないよ

30キロ地点のスペシャルドリンクを楽しみに走った。
「缶コーヒー」と「アミノゼリー」をスタート前に預けておいた。
そろそろ水やスポーツドリンクに飽きて、のどが違った味じゃないと受けつけなくなっていた。

国道を直角に曲がったところがスペシャルドリンクコーナーだった。
係員が親切に手渡しでくれた。
「ありがたい」と思った瞬間。
すぐ隣が、豪華なエイドステーションであることに気づいた。
りんごジュース、オレンジジュース、一口おにぎりなど充実した品ぞろえだ。
「なんてこった」
どっちか一つでいいよ、もったいない。
だれもがそう思うはずだ。
おにぎり、オレンジジュースをもらい、自分のドリンクは温存した。

再び走り出したが、両手のマイドリンクが邪魔。
すでにワッカ原生花園に入っていた。

国定公園に捨てるわけにもいかない。
なんとか次のエイドまで持ち運び、氷で冷やしてぐいぐい飲み干した(ゼリーは捨てた)。

初めて来た原生花園。
原色の花々が異様に美しかった。
それとは裏腹に疲労はピークに達していた。
スタート前に聞いたように、一番きつい。
「地獄とは、このような美しいところではないか」などと妄想した。

歩いたり、走ったり、咳き込んだり。
前へ、前へ。
で、何とか「ワッカ折り返し」を走りきり、ゴールが見える「花道」にたどり着いた。

トランペットの響きが聞こえた。
「お疲れさま」の声援が聞こえた。
思わず、顔がぐしゃぐしゃになった。
泣きたいけど、水分がないのか、涙は出てこなかった。

ゴール。
6時間16分。

意地だけで走り抜いた50キロ。
からだも胃腸も限界だ。
メダルをかけてもらった直後、そこにへたり込んだ。



(完)