1960年代、ビートルズを頂点とした ”ブリティッシュ・インベンション” と呼ばれる英国出身バンドの世界的大ブームがありました。ビートルズ、ローリング・ストーンズ、フー、キンクスなどなど多くの英国出身バンドが数え切れないほどのヒット曲を生み出しましたが、そんな英国バンドの中で「女ビートルズ」と呼ばれたグループがいたことをご存知でしょうか。それがライヴァバーズ(Liverbirds)です。
当時、日本では「リヴァー・バーズ」と紹介されていたようですが、YOUTUBEにあがっている当時のテレビ番組のインタビューの中で「(バンド名の読みは)リヴァーバーズかライヴァバーズか」と聞かれて「ウィ・セイ・ライヴァバーズ」とメンバー自身が答えています。それに「Liverbirds」でひとつの単語なので「・(中黒)」も必要ありません。
彼女たちはビートルズと同じリヴァプールの出身であり、バンド名の「Liverbirds」はリヴァプールのシンボルである「Liver Bird」からとられていますが、同時にイギリスのスラングで「リバプールの女の子」という意味でもあるそうです。
それは1962年のこと。当時16歳の高校生だったマリー・マクグローリー(Mary McGlory)が友達に誘われて、地元の女の子たちの間で話題になっていたビートルズのライブを見に伝說のキャヴァーン・クラブを訪れた時、すべてが始まりました。ビートルズの「I Saw Her Standhing There」の邦題「その時ハートは盗まれた」よろしく、ひと目で夢中になってしまったマリーは、ビートルズのファンになっただけでなく、自分もバンドをやってみたいと思うようになります。
※.キャヴァーン・クラブで演奏するビートルズ
そしてさっそくメンバーを集めてバンドを結成し、楽器を買い揃えました。しかし、まだまだ世間知らずだったマリーたちは、出演するわけでもないのに当たり前のようにキャヴァーン・クラブの出演者口から出入りし、楽屋に入り込んでスタッフや出演者と会話していました。当時は今ほどセキュリティーも厳しくなかっただろうし、珍しい女性だけのバンドということで、おそらくスタッフも大目に見ていたのでしょう。「そろそろライブやってみるかい」と勧められて「いや、まだ練習もしたことないし」と平気で答えるマリーはスタッフたちにとって愛すべき存在だったのかも知れません。
そんなスタッフのはからいで、まもなくマリーたちは憧れのビートルズの楽屋に招待され、直接会って話をすることが出来ました。ポール・マッカートニーやジョージ・ハリソンは「がんばってね」と優しく励ましてくれましたが、ジョン・レノンは素っ気ない態度で、マリーたちに向かってただひと言「Girls, don't play guitars」と言い放ちました。日本語にすると「女のくせにギター弾いてんじゃねえ」ぐらいのニュアンスでしょうか。
マリーたちメンバーはジョンの態度に非常にショックを受けました。が、同時に「絶対にジョンを見返してやりましょう」と一念発起し、まじめに練習を始めることにしました。しかし・・・
「痛っ」
初めてギターの弦を押さえてみたら想像以上に指が痛かったことにショックを受け、マリー以外のメンバーはそのままバンドをやめてしまうのでした。
※.マリー・マクグローリー(Mary McGlory)
(画像はお借りしました)
※.Liverbirdsについて英語で書かれたサイトなどを独力で訳して書いたものなので、誤訳などあるかも知れませんが、なにとぞ御了承下さい。