『歴史人』幕末諸隊の真実 | またしちのブログ

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幕末史などつれづれに…

ブロともさんが記事で紹介していた雑誌『歴史人』~「幕末諸隊の真実」を先日購入しました。

 

 

 

「幕末諸隊 反幕派・佐幕派 全108隊リスト」と銘打っていて、主な隊(組織)は数ページにわたって紹介されており、そうでない隊は相川司先生監修の「諸隊108全国リスト」として各5行程度の文でわかりやすく紹介されています。・・・相川先生、こういう仕事多くないですか?(笑)

 

まだ全部は読み切れていませんが、そこそこ詳しく、とりあえず無難な内容ではあります。細かい点はさておき、大きな間違いはなさそうだし、幕末史好きなら持っていて損はないかも知れません。

 

ちなみに、赤報隊に関してはやはり相楽総三中心の紹介となっていますが、これまでのこのような紹介記事よりは若干詳しめかな、と思います。数行とはいえ、ちゃんと滋野井隊についても紹介してある点はポイント高いです。

 

手前味噌になって申し訳ありませんが、その「滋野井隊」という名称をはじめて使ったのは、たぶん僕だと思います。まあ、他に表現しようがないと言えばそのとおりなんですが、以前は「滋野井侍従の一行」のような書かれ方だったと思うので、こういう名称が活字化されているのを見ると、やっぱりうれしいものですね。

 

そして、この本の一番のミソである「全108隊リスト」ですが、「そんな隊があったんだ」と新たな発見がたくさんあった反面、リスト漏れしている隊もそこそこあって・・・・・・。これは揚げ足取りのつもりではなく、今後同じような企画が持ち上がった時に、出来れば忘れずにリストに加えてほしいという願いを込めて「リスト漏れ諸隊」を思いつくまま挙げてみたいと思います。

 

1.柳図子党(やなぎのずしとう)…松尾相永、藤井九成、梅田雲浜、久坂玄瑞、武市半平太、香川敬三、伊東甲子太郎、中岡慎太郎、曲直瀬道策、藤村紫朗、川喜多真一郎ほか。わかりやすくいえば「岩倉具視を国政に復帰させる会」のようなもの。ゆるやかな結束の、実態のつかみにくい組織であり、目立った活動は記録されていないが、果たした役割の大きさはメンバーを見れば一目瞭然。

 

2.玉造勢(たまつくりぜい)…芹沢鴨など。水戸藩の過激攘夷派である天狗党(天狗派)のうち、桜田門外の変に参加しなかった者などにより結成。

 

3.徴兵七番隊(ちょうへいななばんたい)…武田文三(油川錬三郎)、阿部十郎、伊藤源助など。赤報隊のうち、帰京命令に従った二番および三番隊の隊士から従軍希望者を募り再編成された。七番徴兵隊もしくは単に徴兵隊ともいう。のち第一遊軍隊と改称。

 

4.黒谷浪士隊(くろだにろうしたい)…中村耕蔵、林静など。戊辰戦争で二番御親兵~第二遊軍隊と改称し、越後方面を転戦。

 

5.越後居之隊(えちごきょしたい)…長谷川鉄之進、五十嵐伊織など。活動期間はごく短いが、長谷川は禁門の変や佐久間象山暗殺、薩邸浪士などに、また五十嵐は大村益次郎暗殺に関わるなどしている。

 

6.水口正義党(みなくちせいぎとう)…中村栗園・確堂、油川錬三郎、城多薫、西本祐準など。水口藩尊王攘夷派。赤報隊三番隊の母体でもあり、新選組との関わりも少なからずある。

 

7.肥後勤王党(ひごきんのうとう)…宮部鼎蔵、河上彦斎、轟武兵衛、松田重助、堤松左衛門など。ええと・・・・・・・・・、なんで漏れた???