神代直人の出自を探る(2) | またしちのブログ

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大村益次郎暗殺犯の一人、神代直人の出自について。

ウィキペディアに記載されている「萩藩無給通中船頭三十二石六斗神代一平の嫡男」の出典を知る手がかりはないかと思い、山口県立山口図書館総合サービス様にメールで質問してみました。

そして昨日回答のメールをいただきました。

それによりますと、『萩藩給禄帳』(樹下明紀編・田村哲夫編/マツノ書店1984)に安政二年の萩藩無給帳が掲載されていて、そこに三田尻中船頭の「神代一平 嫡直人」とあるが、「御扶持方三人高拾九石壱斗」となっており、石高がウィキペディアとは異なっているそうです。

ただし、萩藩無給帳は安政二年以外にもいくつかあるようなので、その中にウィキペディアと同じ記載があるのかも知れません。

僕はあくまでここまで、つまりウィキペディアの「萩藩無給通中船頭三十二石六斗神代一平の嫡男」の出典だけを質問させていただいたのですが、大変ありがたい事に、それ以上に調べていただきました。

・石永雅編 『周防国郷土史 大村益次郎と草奔諸隊』 山口県教育財団(2001)
・大植四郎編 『明治過去帳』 東京美術(1991)
・上田正昭[ほか]監修 『講談社日本人名大辞典』 講談社(2001) 
・山口県編 『山口県史 史料編 幕末維新6』 山口県(2001)
・内田伸著 『大楽源太郎』 風説社(1971)
・ふるさと大道を掘り起こす会編 『ふるさと大道 (十八)』 ふるさと大道を掘り起こす会(2013)
・末松謙澄著 『防長回天史 12 第6編-下』 マツノ書店(1991)
・大村益次郎先生伝記刊行会編 『大村益次郎』 マツノ書店(1999)
・伊藤博文述 小松緑編 『伊藤公直話』 千倉書房(1936) 

を調べていただいたところ

萩藩無給帳の「三田尻中船頭神代一平の嫡男神代直人」と、「大村益次郎殺害犯の神代直人」が同一人物であるとは確認出来なかったそうです。

もちろん同一人物である可能性もあるし、別人の可能性もあるという事になりますが、次回、これまで調べてきた事を一度整理したいと思います。

それにしても、期待以上のご回答をいただきまして、山口県立山口図書館総合サービス様には本当に感謝しております。どうもありがとうございました。