【Episode.2 そして少女は旅に出る】
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ナパの町の全体が
手のひらに収まるくらい
遠くに見えるようになって
マコマは改めて、これから
初めての旅が始まるのだ
という実感が湧いてきた。
ついさっきまで
友人達が見送ってくれた。
そのことが余計に
マコマの寂しさを加速させた。
「なんか寂しい…もう寂しい…」
酒樽を両脇に積んだロバの横を歩きながら
マコマはプッペに話しかけた。
「そうでヤンスねぇ」
「何だかんだ言ってさ…
ユリはさぁ
プッペのことが大好きだったんだよね」
「オイラもユリにゃんのこと
好きでヤンスよ?
ユリにゃんは良い子でヤンス」
「良い子?ははっうそでしょ?」
マコマはユーリエを褒めるプッペに
少し嫉妬した。
「昔、ユリにゃんが言ってたでヤンスよ
オイラを自在に操ってる
マコにゃんが羨ましいって
あんな風になりたいって」
「別に、今でもプッペを操ってる実感は
全然ないけどなあ…
でも、そんなこと言ってたんだ…
私の前では憎たらしいことしか
言わなかったのに…」
マコマはなぜ高い精神力を持ち
才能豊かなユーリエが
人形使いに、こだわったのか
納得がいった気がした。
幼い頃、マコマに対して
ライバル意識を燃やしていたのは
喋る木人形を操るマコマが
神童扱いされていたことが原因である。
しかし魔女因子の影響で
高い精神力を保有しているユーリエは
あっという間に
マコマを追い抜いてしまった。
今では熊ほどある大きさの人形を
自在に操ることが出来る。
翻ってマコマには、プッペ以外の人形を
操る能力は皆無であった。
人よりずば抜けた才能を持つ
ユーリエに嫉妬すると同時に
密かに憧れてもいた。
そんな彼女はマコマと同年代のはずなのに
見た目はもう成人女性のそれであった。
病は確実に進行していた…
「でもさ、ユリの病気治るといいね」
「そうでヤンスね…」
「ヘーパイトスで再会できるといいなぁ」
「…マコにゃんもユリにゃんのことが
好きでヤンスね?」
「なっ!なに言っての?バカじゃない?
…嫌いよ、あんな奴」
マコマの口元は緩んでいた。
隊商の行列は
一路南に向かって進む。
雑草の揺れ動く平原を
大きな雲と共に草の香りが流れていく…
