松本さんの絵  第124◎岩切り道と呼ばれています。62年ほどまえ、穂高山荘50周年を記念して作 | matのブログ

松本さんの絵  第124◎岩切り道と呼ばれています。62年ほどまえ、穂高山荘50周年を記念して作


matのブログ-228

図228 


matのブログ-229

図229


matのブログ-230
図230


matのブログ-231

図231   新穂高露天風呂付近



          重太郎橋    8月18、19,20日


  ひと月ぶりに新穂高温泉に来ました。良い天気図なので、数日は予想どおり快晴でした。都会の熱中症とは無縁で、飛騨の山中は25、27度といったところです。白出し沢をひと目見たいので、穂高平山荘から一時間半ほど登りました。笹をとおり抜ける風の音が、沢の水の音であることに気がつき、やがて眼下に蒲田川の支流が見え、大きな岩があちこちにありました。この支流は白出し沢です。沢におりて岩にかかった橋を越えました。

角材4本を二本の太い針金で縛ったような簡単なものでした。対岸に渡ると、岩にへばりついた木材のハシゴを10米ほどのぼり、更に鉄パイプの橋を3米ほどのぼると、岩に打ち込んだ鉄の杭につながった鎖が上に伸びています。下を見ると岩斜面の谷底に急流が見えます。

 岩に切り込みを入れた、巾数十センチの足場に頼って、鎖を握りながら上に登っていく200米ほどの難コースです。岩切り道と呼ばれています。62年ほどまえ、穂高山荘50周年を記念して作られたとプレートに説明があります。岩切道であやまって転落したら、大けがしそうな感じです。ハシゴを登ったところで、引き返しました。

 右手に雪渓が見えます。暗い空洞に入ったら崩落で危険だし、雪渓を歩くにしても、穴に落ちたら救助が難しいようで危険な場所に違いありません。つまりここは夏場の最高気温でも雪が溶けない場所で、冬に転落して埋まっても、夏に見つかるというわけには、ゆかないようです。昨年の暮れから、夫婦連れ登山者が見つかりませんし、写真からは50,60代の人に見えます。登山届けを出す山岳警備詰め所でも、単独女性の登山者の写真もあります。こちらも50代後半に見えます。小鍋沢から白出し沢の間は行方不明者発生地帯のようです。この上を4時間ほど詰めると奧穂高山荘に着きます。その途中に昨年救助中に事故をおこしたヘリの墜落現場 があるはずですが。

 ことしの夏山の遭難はどうなんでしょうか、山と渓谷のAccident 欄に、  

 9,10月あたりから3ヶ月前の7月夏山シーズン開始以後の遭難記事が出てきます。今の時期は、新穂高温泉の鍋平駐車場隣接のヘリポートはヘリが常駐しているようで、ここ以外にも新穂高露天風呂よこにも 円形の中に H のマークのあるヘリポートが見えます。新穂高温泉は行楽地のような印象をうけますが、そうでもなさそうです。岐阜県飛騨側の登山者は、おおむね健脚で登山経験のレベルが高いのですが、高齢化しているので事故が多いのかと思ってしまいます。

 帰り道に新穂高温泉の露天ぶろに入りました。先月は熱すぎ てすこししか入ってられなかったのですが、きょうは37度ほどでぬる湯でした。いつもと違うのは混浴が盛況で、若いカップル2組、老齢の男性なのに、若い女性連れなど、全部で10人ほどでした。水着もあれば、タオルのひともいました。お湯の中で世間話などは、にがてです。

ここの湯の水位は水門の漏れ具合で、浅くも深くもなります。それとなく話を聞いていると、以前に蒲田川が増水して水門とおなじ高さになった事があるそうです。湯船の水位が上がり、無料の温泉にしては快適だったそうですが、管理人が来て、危ないから命の惜しくない人だけにしてくださいと言ったそうです。水門が破壊されると激流が湯船に入り温泉客の命の保証は無いそうです。増水すると、蒲田川の川幅は30米ほど有り、そのうえに急流にのみこまれると、まず助からない気がします。よくこんな場所 に岩風呂が出来たものです。

白出し(しらだし)沢に行けたので、次の目標が出来ました。来年は、蒲田川左岸 (蒲田右俣林道) に沿って槍方面に林道をあるき、槍平小屋で一泊するものです。

このコースは飛騨側から滝谷の岩壁を見ることができます。このあたりの岩場は、谷川岳と同じく転落遭難者の数が多く、現在進行形のノンフィクションや、山岳遭難小説の舞台でもあります。