私の年下の友人で世界が羨む「超」のつく夢のような兵器の開発に成功したやつがいて、たまに大型二輪でこんな山奥まで遊びに来るのだけれど、そいつが応接室で私の作ったきゅうりのぬか漬けつつきながら同じようなこと言ってましたわ。日本にはまだまだ勝ち筋があるんじゃね?と。
特に、いま世の中はAIにばかり話が集中しているけれど、日本の揺るがぬものづくりと技術力の象徴は、金属素材を生み出す「冶金(やきん)」なんですよね。汎用金属の量産能力(トン数ベースの規模)では中国など新興国の追随を許しているけれど、技術的深化という部分においては世界最高峰の水準を維持しています。
これらの製品は、あらかじめ兵器用に特化した素材として自由に輸出されているわけではないけれど、民間向けの超高品質な特殊鋼や基幹部品がグローバル市場を通じて、結果的に西側諸国の防衛産業の足回りを支えている、という状況です。足回りという意味ではダジャレみたいな話になるけれど西側の軍用車両の多くに日本のベアリング鋼が使われているのは有名な話。今、武器輸出についていろいろ議論があるけれど、すでに素材レベルで西側諸国の先端兵器が日本の高度な冶金技術なしには成り立たないのが現実。
たとえば異世界ファンタジーの世界に喩えるなら、日本は「素材を持ち込むと神業のようにそれを精錬して能力を付与してくれれる気難しい鍛冶屋」であればいいんだと私なんぞは思っています。鍛冶屋が冒険者と一緒にダンジョンに潜る(戦う)意味もないし、鍛冶屋が作ったものがどう使われようと鍛冶屋が負うべき責任はないわけですし(果物ナイフで誰かが刺されたらそのメーカーを責めるのかよという話)。
また、量子コンピュータの基盤となる素材開発の技術について最も有力とされている国が日本です。いま海外のIT産業はAIと全体の拡大という方向に向かっていますが、日本が量子コンピュータの分野で先駆ければ、現在の形勢を一気に逆転することも、無いとは言えないかも知れません。
少なくとも日本は、そういうマテリアルの部分で勝負しないと、この乱世を生き残れないと思いますね。
