今回の対応は「政府は何もしない」と宣言したに等しい。「コメの流通の円滑化」を卸売業者などに要請するだけ、子ども食堂へのわずかな備蓄米供出のほかは何もしないと言っているわけだ。
政府が自分たちのメンツしか頭にないようでは農家も国民ももたないだろう。

 

災害時などにもそうだけれど、異例の事態に遭遇した時に、今何をすべきか誰の目にも明らかであっても「誰が責任をとるのか」という議論に終止して、俺が腹を切るつもりでやる!という人間が一人も出てこないのが政治家と官僚のすさまじさというものである。

 

それほどまでに仕事に責任を持とうとしないふざけた人間たちがこの国を動かしている事実にはもはや怒りを通り越して笑うしかない。

 

今になって備蓄米の放出を訴える地方の首長が出てきたところだが、今じゃダメだと思う。備蓄米の放出をするにはタイミングが遅すぎる。放出するなら6月末にすべきだったと思うが、今やればそれは間違いなく新米の価格に悪い影響を与える愚策になる。

 

 

どこの誰とは言わないが自称経済学者の口入屋が政府のブレーンを長年(失われた30年)つとめているのがこの国。そうでなくとも日本の経済学者たちは投資やビジネスのノウハウやくだらん成功哲学についてはよく舌が回るが、真の経済学、こと農業経済学ともなれば壊滅的に知識が不足していたりする。

 

農業経済学という分野がこれほど低く見られ細く学ばれている国は世界中どこを探しても無い。その点でこの国は最初から危険な状態にある、というのは私がまだ農学を学んでいて、すでに一部では食糧安全保障が議論されていたころから指摘されていたことである。

 

何をするにも浮かれて踊っているうちに疲れ果てて身動き取れなくなっていることにも気づかないマヌケでノロマな国だなと思わずにいられない。