私もアベノミクスについては一貫して批判してきたから当時勢いの良かったオカルトくせぇエセ愛国者たちにクソコメわんさかいただいたのは言うまでもない。

 

このニュースのコメント欄にもあったようだけど、アベノミクスは幾つかのステップを踏んで完成するような話のものだったのに、せっかく安倍さんが第一の矢を放ったのにもかかわらず企業が動こうとしなかったのが悪い、みたいな話があるけれど、それは違うと思う。小っ恥ずかしい言い訳してんじゃないよと思うし、歴史に「もし」を持ち込むなよとさえ言いたくもなる。

 

安倍さんが何をしたかと言えば、まるっきり踊る気のない人たちに向かって、得意の両手を広げて見せるポーズで、さあ踊れ!と号令をかけただけのことである。自分が号令をかけさえすれば皆しずしずと踊りだすと信じていたことである。そのいかにも坊っちゃん政治家らしい楽観主義と傲慢さがアベノミクスの第一矢であり、失敗の最大の原因であった。今の日本はまるで洋服の着方がどこかおかしい人のようであるが、そういう人というのは必ずやまず最初のボタンの穴をかけ間違えているものである。

 

戦争についてもそうだが日本人というのはともすれば敗因どころか、敗北そのものからさえ目を逸らしがちである。その敗因に自分も絡んでいればなおさらだ。だから頭脳を浪費して敗因や敗北そのものをどうにか肯定しようとちゃんちゃらおかしい屁理屈を編み出して笑いものになる。そんなふうでは次に戦っても決して勝てるわけがない。