職業病みたいなものであれこれ考えてしまいますが…

 

妙に胸騒ぎ。(←こういうものに関してはだいたい当たりません)

 

県の技官であった私の兄と部下たちは夏井川河口の工事の検査のため、311当日河川敷に車を乗り入れていたそうですが、現場の作業員たちに避難する指示をしたあと、公用車に戻ったところでまさかここまでは来るまいと思っていた津波が川を轟然と遡上するのを見て焦り、これは死ぬと思いつつ土手の上の一本道をアクセル全開でバックで逃げた、という話をしていましたが、河川津波というのは侮れない被害をもたらすものです。

 

 

大阪市に隣接する堺市の浜寺地区では、住民がこのアプリを使って避難訓練を行いました。
この地区では、海と川から津波が流れ込むことが想定されています。

用意されたルートは2つ。
参加者たちはまず道幅が広い、川沿いのルートを進みました。海からは離れるように進んでいましたが、突然、津波に追いつかれてしまいました。速いスピードで遡上する“河川津波”に先回りされてしまったのです。その後、川沿いを避けるルートを試したところ、同じ時間が過ぎても津波に遭遇せず、この日想定した避難場所まで、たどり着くことができました。

矢守教授は次のように話します。
「それぞれの地域に、地形的な特徴があり、建物の密集など社会的な特徴もあります。このような地域特性を考慮することは、全国どこでも非常に大事な要因だといえます。」

 

この地域特性を考慮しつつ避難するという部分は、お上に頼っていてはいけない部分なんですよね。どうしても地域住民の防災意識が高くないと実現できない。こういうのは孤独孤立対策と並行しながら行ってゆくしかない部分なんだと思います。

 

東京都などもあれこれ対策を練ってはいるようですが、各個人、自分の住まいはもちろん、通勤先、帰宅困難から徒歩での帰還経路、そういったものを事前に自分の足で歩いて想定外の事象が起きるとの想像を巡らしながら調べておく必要はあると思います。

 

 

なお、首都圏の堤防等施設については南海トラフで想定される津波にも耐えうるとしていますが、あくまで理論値でしかなく、より直近の震源で起きる可能性を指摘されている相模トラフ巨大地震(いわゆる「最悪のシナリオ」)については想定じたい難しいとされているのが現実です。

 

先ほどYouTubeを見ていたら、東日本大震災・海外の反応、という動画があって、外国人が津波の動画を見ながら、国外にいて津波のニュースを聞いた時はただの水じゃん、泳げばいいじゃんぐらいに思っていたけどとんだ間違いだった。と語っているのがありましたが、津波の怖さってのはあの破壊力を実際に見た人でないとわからんものかも知れません。

 

私はといえば海があふれた震災翌日にヘリの機上から見た眼下の光景に膝がガタガタ震えたことを思い出します。