ま、誰が何を信じてても私の知ったこっちゃねぇし、それぞれ好きにすればいいと思っています。(死後の世界が存在しないことを証明できない以上それが私のスタンスです)

 

 

さらに近年は、死後世界への関心を高める社会的エポックが2度、訪れた。2011(平成23)年の東日本大震災と、2020(令和2)年以降の新型コロナ感染症の大流行である。日本人一人ひとりが「リアルな死」を見つめ、考えるきっかけとなった。

 

コロナは黒死病の時代と違って街に亡骸が転がっていたわけでもないけれど、東日本大震災では私も含め、まだ回収が追いつかず毛布を被せられただけのご遺体が道端のあちこちにあるのを自分の目で見てしまった人も多いと思います。

 

私はあのとき思ったんですよね。宗教を含め、あの世や霊を説くものって元々嫌いだったけど本当にくだらないものだったんだなと。…底が見えてしまった気がしたんですよ。

 

旧軍の将校として常に最前線で指揮を執って多くの死を見てきた私の祖父は、神棚の榊が枯れていようと、仏壇の花が萎れていようとまったく気にもとめない、無宗教と言うよりはむしろ宗教や信仰といったものを毛嫌いする人でしたが、戦争を知らない子供たち、という歌があったように、実際に多くの死を目の当たりにした者と、そんな風景があったことを知りもせずに育った者とではだいぶ物の見方が違ってくるのかなとは思います。

 

どちらが是か非かという話ではなくて、ただそういうものだというだけのことかと。