幾つか前の、脳科学キライやねん、という記事について、今朝起きたら脳科学という言葉を用いてカウンセリング業をしているらしき人物からクソコメ入れられていた。

 

私は私という生き物が割とよく間違えることを知っているので、私に対してお前さんそれ間違うとるよというコメントについては寛容なつもりですが、明らかに内容がおかしいものや、あまりに攻撃的でそれを目にした私以外の人が不快を感じるであろうものについては承認前に削除することにしています。あしからず。

 

さて、脳科学。

 

そのかたが投げてよこしたクソコメにあったように私が脳科学というものをエセ科学だなどと書いたことは一度もないですよ。むしろ、あっていい分野だと思っています。ただ、自称か他称かは知らないけれどマスコミがそう記している一部の脳科学者が脳科学としているものはあまりに科学から離れすぎている気がするのもまた確かで、そのたびに、一杯飲み屋で管巻いてるオッサンの人生訓とどこが違うのだろうと思ってしまうんですよね。

 

私が思うに脳科学という分野はマスコミやコーチング界隈が思っているようなものとは違って、実際は漠々と大きすぎるものなんだと思うんですよね。

 

たとえば日本脳科学会というのがあるようだけれど、こんなことが書いてあります。

 

 

ああそういうことか、と思いましたね。

 

たとえば私が学問としてやってきた農学。これも今では農学という一括りの学問分野ではあるけれど、生物学はもちろん、化学、気象、経済、法、色んな分野を横断する知識が必要で、とうてい一人ですべて出来るものではないんですよね。

 

農学というものに関わるすべての研究者それぞれに専門があるわけで、それでも最終的には「農学者」というカテゴリに入るのは、農学というものに「食糧生産」という明確なアウトプットがあり、それを以て農学であるとするという定義づけがきっちりとなされているためだと思いますね。


一方比較的に耳新しい脳科学という分野では何を以て脳科学とするのか、いまだわかりづらい部分があって、何をアウトプットするのかという部分が見えにくいというあたりはもちろん、脳科学分野に基礎科学に近い分野の人々が多く参加していることもあるでしょうが、それゆえ何の専門家でもない自称な人たちが紛れ込んでそれっぽい事を言ってしまうことも多いのかなと思っています。今朝クソコメ入れてくれた人みたいにね。
 

なお、SNSでは割と槍玉に上がりがちな茂木健一郎さんなどが色んな分野の方々と交流しておられるのを見るとあれが脳科学という分野の研究者としては正しい姿勢なんだろうという気がします。(見知らん人だし一生関わることもない人だろうからヨイショしているつもりはない)

 

今は有象無象玉石混淆で漠々としている脳科学という分野も、いずれは農学のように何のためにその分野が存在するのか誰にでもわかるような実学としての地位を築くようになるのかも知れないなと思っています。