「“中心霊”の解怨をお勧めしています」―。これはFNNが入手した韓国国内の信者向けSNSでの記述だ。 “中心霊”とは先祖の行いで生じた悪霊とされ、これが病につながるなどとして教団は除霊を求めている。SNSには韓国語に加え、日本語に翻訳されたページもある。

旧統一教会内部に潜入取材した経験がある宗教ジャーナリストのオ・ミョンオク氏によると、除霊にかかる費用は、中心霊1体あたり約12万ウォン(約1万4000円)で、中心霊が何体いるかに関しては、事前に顔写真を送り、診断してもらう必要があるという。つまり教団の“言い値”に従う仕組みと言っていい。YouTube上には、除霊により「視力が回復した」「38年間治らなかった湿疹が改善した」などと信者の体験談が紹介され、中には一家で計122体の中心霊を取り除いたというエピソードも出てくる。1体あたり1万4000円なら、単純計算で170万8000円になる。

もちろんキリスト教の神学には「中心霊」などという概念はない。それどころかけっきょく聖書に書かれた悪霊とは何だったのかについていまだ答えが出ていないのが現実である。宗教改革で有名なマルチン・ルターなどに至っては、悪魔は誰の体にも簡単に入り込んでくるものという妄想に取りつかれ、ウンコするたびに「悪魔よ私の体から出ていけ」と大声を出していたという話はあまりに有名だ。

 

それにしても、あらゆるものを劣化コピーにして、そこで生み出した嘘を真実のように語ってしまうこの傾向。もはや国民病なんじゃないかとさえ思ってしまう。

 

日本での解散命令請求を受け、韓国の教団本部が資金調達の面で打撃を受けたのは間違いない。“金づる”を失った教団が、今後どのように運営資金を集めていくのか。引き続き日本と韓国、双方での動向を注視していかなければならない。

 

時は来た

悪しき草は刈り取られ

火に投げ入れられる