データサイエンティストなんて職、特にそのてのコンサルがほとんどものの役に立たないことがわかってきたこの時点で今さらこんなことやるんだぜこの国は。

 

昨日の会議でもちょいと論戦しちまったし、昨晩も統計学はすごいんだぜみたいなことを言うネーチャンの万能感あふれる動画を幾つも見ていたのだけど、…統計学から未来予測なんてできないことは国の省庁がさんざん未来予測をしてことごとく外しているのを見れば一目瞭然でしょ。少なくとも集計される数値を生み出す外部要因が一切変わらないうえでの未来予測は可能だけれどそんな未来などあり得ないのは子供でもわかりそうなもの。今までとついさっきのことしか知れないのが統計学の限界。そこから無理やり未来予測を導こうというのはロジックもへったくれもない…ただのヤマカンですわ。

 

 

こんなのは序の口だけど、数学屋から見ると、本気かよ、と思うような統計やそれに基づくナンチャッテエビデンスが世間にはわんさかあって、あゝ統計学は数学とはだいぶ違うものだけれど素晴らしいもので必要な手法ではあっても、数学的思考力を持たない者がそれを何でも切れる斬鉄剣でも手にしたかのように人前で振り回すと重大事故にしかならないな、と思わずにはいられません。

 

 

――逆に、統計的な予測で、ここが有望だという分野はあるんでしょうか。

川崎)直接、予測と言えるかどうかは分かりませんが、マテリアルインフォマティクスと呼ばれる分野は非常に盛り上がっています。ある効能を持っている薬物などの物質で、まだ見つかっていないものを探索していくのに統計学、機械学習の技術を使っていきます。研究所にも、民間企業からの申し込みがたくさんきています。あとひとつは、天文ですかね。

椿)天文学に機械学習や統計学を応用していくアストロインフォマティクスという分野は、国際的にはものすごく盛り上がっています。ブラックホールの写真が撮影できたというニュースがありましたが、この写真の解析にも、ノイズを排除して本来の信号を浮かび上がらせるためにスパースモデリングという統計技術が使われています。この解析は、当研究所も支援しています。

 

そういう分野でしか役に立たないということ。人間という気まぐれエレメントを外すことのできない商売を含む社会現象のようなものについては統計学による未来予測などほぼ世迷い言に近いものでしかないんですわ。