「芸術は日々の生活でたまった心のほこりを洗い流してくれる」

 

なぜこんな言葉を取り上げてその言葉の意味について解説しちゃったんだろう。パブロ・ピカソは決して素晴らしい人格者でもなかったし、尊敬できるような人間でもなかったけれど、割といい言葉を残してるんですよね。

 

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「誰もが芸術を理解しようとする。ならば、なぜ鳥の声を理解しようとはしないのか。人が、夜や花を、そして自分を取り巻く全てのものを、理解しようとしないで愛せるのはなぜだろうか。なぜか芸術に限って、人は理解したがるのだ。」

 

「人はあらゆる物や人に意味を見出そうとする。これは我々の時代にはびこる病気だ。」

 

「子供は誰でも芸術家だ。問題は、大人になっても芸術家でいられるかどうかだ。」

 

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ある現代美術館(私の故郷のいわき市平なんですけどね)の展示を見に行った際に、たまたま来ていた小学生と引率の教師を相手に作品の持つ意味と鑑賞の仕方について四の五の四の五の小理屈をこね回している学芸員がいて、最後に質問を受け付けていたんですが、そのとき小学生の女の子がこんなことを質問したんですよ。

 

「見てスゴイと思うだけじゃダメなんですか?」
 

おお!と思いましたね。何がおお!なのかと言えば、その作品を見た私も最初、いったいこれはなんなんだろう。何を言わんとしているもので、どういう意味があるんだろう。と、頭で考えてしまっていたんですよ。でもそれって作者の思惑とは違ってくるだろうし作品の本質とは関係ない。

 

質問をぶつけられた学芸員は子供の発したそれこそ本質的な質問にびっくりしてましたわ。それを見ていた私はニヤケがおさまらなさそうなのでそっと退散。