【愚者の旅―The Art of Tarot】第13回 「隠者 The Hermit」 手に持つランタンが照らし出すものは……

 

時の流れは無常である。その中にあって、人間の生命は一瞬にしか過ぎない。時の流れの中でひとり「絶対知」を求め続ける「隠者」。その行為は果たして成就するのか、それともむなしく終わってしまうのか・・・・・・。
 

それが「むなしく」終わろうとも、探し求めて歩みをとめることがないのが隠者であり、

 

またたとえ道半ばでむなしく事切れようとも、それを絶望したりしないのも隠者なのだと思う。

 

だってタロットにおける「隠者」の若かりし頃の姿は「愚者」なわけだし。

 

隠者は愚者であった経験を無かったことにしたりはせずに、

 

それと正しく向き合って成長した姿なのだから、それでいいのだと思う。