論文の共著者で先史考古学者のラン・バルカイ教授はCNNの取材に答え、洞窟を照らすために火を使えば酸素レベルが低下し、低酸素症の症状を引き起こしただろうと指摘する。低酸素症になると神経伝達物質の一種のドーパミンが放出され、幻覚を見たり幽体離脱を体験したりする可能性があるという。
そうした状態で壁画を描くのは自覚的な選択によるものであり、描き手が宇宙と心を交わす助けになったと、バルカイ氏は付け加える。
医学的には、このようなお迎え現象は、脳が酸欠になっているために見る幻覚だとされています。亡くなるまで1か月を切る頃には、ガス交換がうまくいかず、慢性的な呼吸不全に陥る場合があります。そのため、体内では酸素が不足してきます。体内で最もたくさん酸素を使うのは脳ですから、脳が最初に酸素欠乏に陥ります。そして、酸欠になると脳は幻覚を見るのです。それは、高山病になると幻覚を見ることなどからもわかっています。
私の亡父は高校教諭になる以前、常磐炭鉱で掘削機械のエンジニアとして働いていたが、たまたま切羽の現場へ出ていた時に、出水落盤という複合事故に遭遇し、鉱夫十数名とともに閉じ込められてしまったことがある。
背伸びして上を向かないと顔に水が漬かるほど水位が上がり、かつ真っ暗で絶望的な状況あったが、ここまでか!と思ったあたりで、壮絶な神秘体験(幻影幻聴)をしたと私に語っていた。
その後、父は哲学書や宗教書を読み漁って、死やその後の世界について自分なりにいろいろ思いめぐらしていた気配が書斎の蔵書から感じられるけど、あれはどう考えても酸欠だったに違いない。私の父は技術系の学位を持っていた人だったけど、なにか世界観を容易に覆すほどの体験だったのだろうとは思う(たとえそれが幻覚だったとしても)。
私も不摂生していたころにちょっと変な体験をしている。あれもきっと脳に酸素回ってなかったんだろうと思う。
わかってしまうと、こっ恥ずかしい話でしかない。