本「すべて真夜中の恋人たち」
6年前の2011年に買っておきながら、読んでいなかった本です。最近これまで買っても読まなかった本を改めて読むようになり、この本も本棚で見つけて読んでみることにしました。
筆者の川上未映子さんの著書は、芥川賞を受賞した「乳と卵」を文藝春秋の掲載号で読んだ程度で、彼女のファンから見ればあまり真面目な読者ではありませんでした。あと村上春樹氏との対談集は読みましたが。
ストーリーはきわめてシンプルな内容の恋愛小説で、詳しく書くとネタバレするので控えますが、主人公の女性の34歳から37歳の誕生日までが描かれています。
タイトルのモチーフになったと思われるのは、主人公が25歳の誕生日(クリスマスイブですが)に真夜中の散歩を始めてから、毎年誕生日に散歩を続けていることです。
仲のいい仕事仲間の女性があえてシングルマザーも辞さない強い女性として描かれているのとは対照的で控えめな主人公ですが、カルチャーセンターの会場で初老の男性と出会うことになります。
ここから切ないラブストーリーが展開していく訳ですが、クライマックスで主人公が声を出して泣いてしまう描写では、仕事帰りのバスの中で読んでいましたが、思わずもらい泣きしそうになりました。
折しもクリスマスシーズンですが、この1冊もステキなクリスマス・ノベルになるかもしれませんね。もう既になっているとか(笑)
また半分ネタバレしてしまって失礼しました(汗)