Mat-chanの料理・旅行・建築・映画のこと

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料理・旅行・建築・映画の4つのキーワードを中心に、書いていきます。勿論他の面白そうなことも。

映画(花様年華25周年特別版)(ネタバレありです)

ウォン・カーウァイ監督の代表作ともいわれる「花様年華」の25周年特別版です。この作品も有名なので、映画館の他にテレビのBSなどで何回も観ていますが、観るごとに映画のディテール(細部)が分かってきて、観るたびにまた違った印象を受けてしまいます。

今回も有名な作品なので、ネタバレありは省略しようと思いましたが、炎上までいかない小火(ぼや)防止のために書き加えることにしました。

舞台は1962年の香港で、同じ日に引っ越してきた隣室同士の男女の出会いと別れを描いています。共に既婚者であり、それぞれの夫と妻は不在気味であるのが伏線として描かれており、この2人は声だけで最後までその表情を見ることはできません。

留守宅を預かる2人は隣同士ということもあり、日々の会話を通して徐々に心の距離が近くなっていきます。トニー・レオンが演じる男は新聞記者であり、小説家を志しています。マギー・チャンが演じる女はある会社の社長秘書で、男が女性に小説のアイデア出しを手伝ってくれるように頼む辺りから、2人の関係に変化が生じてきます。

私が最初観た時の感想は、この男女が不倫ではないプラトニックな関係を保とうとしたことが印象的でした。次に観た時に印象に残ったのは、小説のアイデア出しの時に、女が相手の男に女がいることを問い詰めて男が自白した時に、そのストーリーに悲しみ涙したシーンでした。驚いた男が小説の話なのにと慌てて言ったほどでした

ただプラトニックな関係は終盤に、女がタクシーの中で「今夜は帰りたくない。」というセリフがありますし、男は女が夫と別れて自分と一緒になるとは思えないので、1人シンガポールへと旅立ちます。

そして今回観て思ったのは、まだスマホがない時代の固定電話の存在感で、2人の連絡には当然家庭や職場の固定電話が使われます。2人の男女の気持ちや想いが、机に置かれた固定電話に集約されて受話器から発せられます。

もう1つ印象に残ったのが煙草の煙、紫煙でした。男が職場で残業中に職場の天井付近で紫煙が渦巻きながら広がっていきます。その不安定な煙の流れは、このままならない恋を象徴し、その行き先を暗示しているのかもしれません。

ラスト石造の寺院の穴を塞いで、ひたすら男がつぶやき続けるシーンも、偽りのない真実を曝け出す象徴的なものでした。

マギー・チャンのチャイナドレス姿は、毎回観るたびにその美しさに魅了されますが、今回は25周年特別版としてエンドロール終了後に、主人公2人が登場するショートストーリー「花様年華2001」があり、チャイナドレスではないマギー・チャンを観ることができました。
(写真は公式サイトより引用しました。)