新型コロナウィルス感染症が、ゴールデンウィーク明けにインフルエンザと同じ5類扱いにされる方針が示されたという。一部、ワクチンの公的補助の継続も検討されているというが、僕はマスクの扱いについて懸念を持っている。

 

 このコロナウィルスの感染防止措置として、日本はロックダウンのような強力な措置はせず、緊急事態宣言を発したとしても、基本的には国民に自粛を「お願い」しただけだ。それでここまでやってこれたのはお行儀の良い日本人の国民性の表れだろう。

 

 一般にこの「お行儀の良さ」は日本人の美徳とされているが、同時に「同調圧力」への抵抗力が日本人は非常に弱く、自分の意思を通すことをあまり美徳とは感じない人が多い。

 

 そのような日本人の特質を理解してのことなのか、コロナウィルス5類移行後のマスクの扱いは、報道ではアメリカなどの例に倣って「個人の判断に任せる」が基本方針だという。

 

 さて、そうした場合、マスクをするかしないかは個人の判断なので、あたりまえだが、マスクをしている人、していない人が混在しても、「何の不思議もない」。

 

 しかし、個々人の判断をそれぞれ「私は私、あなたはあなた」であると尊重して、混在した状態を皆が受け入れるのであればいいが、そうはならない気がする。「どうしてあの人はマスクをしていないのだ」と他者を非難するか、「自分はやはりマスクをするべきではないだろうか」と、主体性に乏しく周りを見渡してしまう人が多い状態がしばらく続くような気がする。

 

 「目立ちたくない」「この場での『正解』を必死で探す」「自粛警察」など、自分自身にも他者にも主体性を認めないような風潮は、決して日本人の美徳などではなく、悪癖のようなものだと思う。

 

 ちなみに、僕は可能な限り早くマスクは外したい。衛生学的な有用性うんぬんではなく、個人的にマスクをすると息苦しくてしょうがないからだ。

 

 「主体性に任せた」マスクの在り方がどうなるか、我々がどのように行動するのか、興味深くコロナウィルスの5類移行を待ちたいと思う。