『グランド・マスター』 | 日々是(ひびこれ)デス・ロード

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自分の好きなものについて垂れ流していくブログです。基本ネタバレ全開なんでそこんところ注意。

〜カンフーは、横か縦かーー。トニー・レオンの超絶キマったファッションに痺れろ!!〜



1930年代の中国。引退を決意した北の八卦掌の宗師・ゴン・バオセンは、南の詠春拳の宗師・イップ・マンを後継者の候補と考えイップ・マンと接触。しかし、弟子のマーサンはそれを許さない。また、バオセンの娘ゴン・ルオメイも自ら名乗りを上げ、イップ・マンと戦う。そして惹かれ合うイップ・マンとルオメイ…。

一方、マーサンはバオセンを殺害。ルオメイは父の復讐を誓う。

そして、時代は日中戦争へと突入していくーー。




『シャン・チー〜』出演&ハリウッド進出記念ということで一人で勝手に盛り上がっております、トニー・レオン週間。

今回は、映画の雰囲気と音楽が良かったのと、ツーブロックで黒装束に白のハットを被ったトニー・レオンが素敵☆

なので意外と結構嫌いになれない映画『グランド・マスター』です。


この『グランド・マスター』はトニー・レオンが本当に格好いいんです。

今回、トニー・レオンが扮するのはドニーさんでもお馴染みの言わずと知れたブルース・リーのカンフーの師匠で詠春拳の達人イップ・マンです。

黒装束にワンポイントの白いハットが最高に格好いい!で、そこで繰り出すトニー微笑ことトニー・レオンスマイルですよ!もう、これだけでお腹いっぱい☆

仮面ライダースカルといい、全身黒プラスワンポイントで白のハットという超粋な格好はどうやら俺の魂の何かに触れるようですな。


で、ウォン・カーウァイ監督作は本作以外全く観たことがないです。

故に、新鮮な気持ちで観てみると、この監督は、中国版(或いはカンフー版)の『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』みたいなのをやりたかったように思えます。

ぶっちゃけ『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』の音楽使っちゃってるしな。権利関係大丈夫なのかよ?


それはさておき、本作では三人の人物が主軸の群像劇。

一人目はイップ・マン。

二人目はルオメイ(チャン・ツィイー)。

三人目はカミソリ(チャン・チェン)。


……え?カミソリって誰よ?

三人目は普通はマーサン(マックス・チャン)じゃねぇの?


ぶっちゃけ俺も最初はそう思った。


このカミソリなる男のエピソードは作中割かしいきなり挟まれていきなり終わるもんだから、この映画、元々統一性が無い上に更に統一性が無くなっているというね…。


更に言ってしまえば、イップ・マンは脇役同然で、チャン・ツィイーが主役級である。


この映画、ごちゃごちゃごちゃごちゃしているのをオサレ雰囲気で誤魔化しているが、結局全編に渡りテーマ性を持ってなにを描いているかというと、チャン・ツィイー演じるルオメイのマーサンへの復讐劇なんですよな。


じゃあ、そこ普通に一直線で描いとけよ!?みたいな。

でも、多分だけど、監督にも変な意地みたいなのがあったんだろうな…。

だから結果、こんなにごちゃごちゃしちゃったのかしら?


で、イップ・マンとカミソリのエピソードは個人的にはっきり申し上げて要らん。


だけどもね、俺はこの映画はトニー・レオンを見て楽しむために観ているわけで…。


それに、映像美はすごく素晴らしいわけです。


そして、「カンフーは、横か縦かだ」とか詠春拳には気功も瓦割りも獅子舞も無い他、みたいなイップ・マンの格好いい台詞がたまらんのです。


以前にも書いたような気がしますが、俺はアジア圏の映画は基本的に吹替えで観ます。

本作のトニー・レオンの吹替えは小杉十郎太さん。


ストーリーや、やたらと長い満鉄の汽車の車両とか色々とツッコミどころは多々ありますが、なんか嫌いになれない…、チャン・ツィイーが滅茶苦茶綺麗で、トニー・レオンが滅茶苦茶渋格好いいーー『グランド・マスター』はそんな映画です。


追記:八極拳使いのカミソリ役のチャン・チェンは本作の出演に当たって八極拳を極めすぎて大会で優勝したらしいですな(笑)