しかも中国と台湾は、これまで「独立か、統一か」ということを巡って、あまり仲が良いわけではありませんでした。

 「そのために台湾には、男子の徴兵制度があった」、と言っても過言ではありませんでした。

 しかし台湾も、自分たちに中国大陸から核ミサイルが向けられているというのに、日本と同様に、すでに多くの民衆が中国の工作活動の手に落ちてしまい、中国の脅威に気づかずに、平和ボケをしています。

 そしてイラクに匹敵する石油を抱えた「尖閣諸島問題」という共通の利益を目の前にして、中国と台湾は急速に近づき、ついに中国と台湾が合同で軍事訓練を行う、という前代未聞なことを行ったのです。

 微妙な関係を続けて、近づか過ぎず、離れもしなかった中国と台湾が、手を組んで尖閣諸島を奪いに来る、という最悪なシナリオが今、実現しつつあるわけです。

 日本の自衛隊もアメリカ軍と合同で、島奪還の軍事訓練を幾度か行っていますが、しかしもしも中国・台湾に尖閣諸島が奪われてしまったら、取り戻すことはかなり困難になります。

 そしてもしも中国・台湾に尖閣諸島を占領されてしまい、自衛隊と米軍が尖閣諸島を取り戻そうしたら、それこそ戦争の開始であり、そしてもしも取り返せなければ、やがて沖縄と共にシーレーンを奪われて、日本は滅んでいきます。

 ですから今、日本には、尖閣諸島を巡って、戦争の危機と消滅の危機の両方があるわけです。

 しかも、すでに2007年に中国は、「琉球復国運動基本網領」なるものを作成し、沖縄における中国政府の憲法まで作っております。

 その内容は前文として、次の通りです。

 「一、琉球は古来より主権を持った独立国家であり、琉球の人民は、日本からの琉球群島に対する植民地統治を承認しない」

 「二、琉球国の主権の独立と領土保全を回復して、琉球共和国を創立する」

 とこのように前文が五まであり、そして「琉球臨時憲法九条」と続いていきます。

 その憲法の第一条は、「琉球共和国は博愛、自由、平等を、民主的に創立して、共和制の国家を建設します」と、何とも美しいことが述べられております。

 しかし第七条では、「琉球共和国の言語は、中国語を共通言語にする」などと述べられ、そしてそればかりか、第九条では、「琉球はかつて、戦争によって日本に占領されていた、という歴史認識のもと、徴兵を志願制にする」などとも述べられております。

 これでは言語さえ封殺されて、虐殺さえされているチベット人やウイグル人たちと何ら変わりがありません。

 なぜなら、かつてチベットがまだ独立国家だった頃、中国とチベットは十七条協定を結んだからです。

 そしてその協定の中で中国は、「欧米諸国の侵略から中国政府がチベットを解放する。そして中国政府はチベット人に対して、信教の自由も、チベット固有の伝統や文化をも尊重する」などと約束しておきながらも、結局、それらの約束はことごとく破られて、そしてチベット人たち虐殺されてきたからです。

 中国・人民解放軍がチベットを進行した時、チベットに欧米人はわずか6人しかおらず、今、チベットの人々が自由と解放を求めていることは、何とも皮肉なことです。