一昨日は私どもの専門学校の系列校である福井県の高校の谷崎校長先生とじっくり話をしました。

実はその校長先生をご紹介してくださったのが市原市の元校長先生の常澄忠男先生・・・

 

市原市剣道連盟常相談役である剣道教士七段 常澄忠男先生です。

私が市原に越して来てからずっとお世話になっている先生で、剣道だけでなく人生の師匠でもあります。

 

私は大学院修士課程が国士舘大学という事もあり、生粋の国士舘魂の常澄先生からは長年よくしてもらっています。

ある日、福井県の校長先生適任者を探していると「福井には国士舘剣道部の俺の後輩がいるから聞いてみよう・・・」そんな経緯で今、ご尽力いただいているのです。心から感謝です。

 

その日、食事をしながら、もちろん剣道談義にも花が咲きました。

その話の中で、若い時代の「厳しさの体験」こそが、その人の未来を変えるのではないか・・という話になりました。

昔の人の言葉に「苦労は買ってでもしろ・・」というのがありますが、今、初老と言われる年齢になり、私もそれはとても感じています。

 

社会というのは、どんな仕事についても良いことばかりではないし、それなりの苦労はつきもの。それが「お金を稼ぐ」という証でもあると思うのです。

 

学生時代に一定の厳しさ、またはストレス、ストレスというとまた語弊があるかもしれませんが、それらを経験していないと、すぐに仕事が嫌で投げ出してしまう傾向を感じます・・・私の学校でも、卒業生が自分の夢であった消防官を投げ出してしまう事が明らかに近年増えてきています。非常に寂しく残念に思います。

 

最初はどんな仕事でも雑用ばかりは当然の事。その雑用や指導を受ける段階において辞めてしまうんです。非常に残念です・・・

 

人生は我慢しなければならない時期がある。上司に対する挨拶や目上の人に対する気の使い方……それらを学ぶためにはスポーツや武道の役割は大きいと思います。

 

今回、先生方と話した内容は、剣道の厳しさが中心となりましたが、何事においても「厳しさ」を経験しそれを乗り切る力こそが人間を成長させ、困難を克服し、人生が開けるのではないかとの結論に至りました。

 

谷崎校長先生は剣道の指導者として、現役監督時代はインターハイに導いた実績もあります。しかし、ご自身は決して秀でた戦歴があるわけでなく、なんと、初心者で昭和の時代最も厳しいと言われた名門国士舘大学剣道部の門を叩いた方なのです。

 

最初は「お前、国士舘なめとるんか!」「いつ辞めるんか」と上級生だけでなく、同級生からもそれは激しい攻撃を受けたそうです。いわゆるイジメですね。しかし、歯を食い縛って4年間耐え抜いたそうです。

 

その努力の過程すなわち「厳しさ」こそが「人間を成長させてもらった・・」と先生はにっこりと笑います。

 

この令和の時代はどうでしょう・・・

指導とパワハラも分離できていないと思うのです。厳しい事は全てパワハラで解決されてしまう時代・・・

経済においても昭和の時代から強い日本だったはず。しかし、国力がどんどん落ちて、2021年には世界24位にまでなってしまいました・・

 

正しい指導であっても問題となったり、そもそも正しく厳しい指導が避難される時代になっている事が非常に危険な日本社会になったと思います。暴力やパワハラではない、強い日本人をつくる厳しさをもう一度考えるべきではないでしょうか・・・

 

ますも誠二