救急救命士を養成する私たちの取り組みとして、倫理観を構築したのちに技術を伝えるという、かつてなかった事を社会に普及しています。
例えば、子供たちが「なぜ、こんな事しなくてはいけないのだろう…」と思いながら勉強していても、多分頭には入らないと思いますし、当然教育効果もないはずです。
私たちが行っている救急救命士教育もそうです。私はその教育に20年携わり、たくさんの目標がない子、倫理観がない子、学習する意義を見出せない子を見てきました。しかし、彼らの心の中に潜む何かを変化させてあげる事で心に火がつきます。いわゆるやる気スイッチが入るという事です。その事がきっかけで一気に学習する姿勢が変わり教育効果につながります。
私が国際医療福祉専門学校でクラス担任や学科長をやっていた頃、彼らの国家試験直前の顔や、行動を見る事で不思議と合否がわかった時がありました。それは、彼らとの長い時間一緒にいる事で、心に潜む自信や達成感が行動や言動、顔つきにまで出ている事に気づくのです…
悲観的な学生に、救急救命士になって、たくさんの人を救っているカッコいい自分を想像させます。人の命を救うという崇高な行動に誇りを持たせます。その後、一気に教育効果を上げる事ができます。
つまり、人間は誰でも、心に潜む、何かに火をつけさえすれば、人生だって変えれるという事なのです。今回、私は小学生に心肺蘇生法を教えるにあたり、「人の死とは何か」「なぜ、人は人を救うのか」真剣に子供達と話し合い、その後の心の変化と技術的効果を検証しました。この実験を通じ改めて悟った事とは、市全体として小学生のうちから倫理観を高めれば、数年後には市原市が変わるという事です。私は確信しました。今から種まきをして、10年後には、誰が倒れても、誰もがすぐに駆けつけ、誰もが応急処置ができるようなメディカルタウンになる事を…増茂誠二