最近のニュースで「救急現場に居合わせた看護師に救命処置を手伝わせ懲戒処分」という話題が記憶に新しいと思います。

 

医療従事者である看護師に救命処置をやらせて何が悪いのか・・・

救急隊+看護師でむしろ円滑な救急活動ができるのではないか・・・と思われた方もいるのでは・・・

 

某消防本部によると、本来は救急救命士が実施しなければならない救命処置「静脈路確保」を、心肺停止の患者の家族(看護師)に依頼し行わせたというものです。

 

幸いこの心肺停止患者の容体は回復したそうです。しかし、この救急救命士は懲戒処分となりました。

 

この事実を聞く限りでは何が悪かったのかわかりません・・・むしろ讃えるべきではないのか・・・という意見も・・・

 

解説します。実は、救急救命士が行う救命処置(特定行為・医療行為)には、救急救命士法で定められる医師による具体的な指示が必要で、静脈内に針を留置して輸液路を確保する静脈路確保は医師の指示で看護師も行えますが、当然、医療行為 に該当します。  

 

またその手順(プロトコール)も、佐賀県メディカルコントロール協議会で細かく定められています。

 

今回の問題点は、医師から静脈路確保の指示はあったものの、針を刺したのが医師から直接指示を受けていない患者の家族(看護師)という点が問題だったのです。つまり、「偶然現場に居合わせた人が看護師といえど、その人が本当に看護師なのか資格証明も難しい。つまり医師が資格不明の知らぬ相手に医療行為を指示することも当然あり得ない事であり違法という事になります。ただ、法を犯してでも、「自分は救命を優先する!」という人は世の中にはたくさんいる事は知ってて下さい。

 

ちなみに心肺停止の人に対し、「胸骨圧迫やAEDの使用など、一般の人にも認められた応急手当の範囲ならあくまでバイスタンダー(居合わせた人)として、法律上協力が可能」としていますのでご安心を・・・

 

増茂誠二

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市原市内に屋外AEDをどんどんつける活動をしています。