11月1日。
一並びの日に、映画館へ。
 
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今年の初めに公開されてから、

ずっと観たいなあと思ってて、

やっと観に行けました。

 

「人生フルーツ」

 

観に行く前は、

愛知県にあるニュータウンに土地を買い、

平屋の家を建てて、木をたくさん植えて、

畑で野菜や果物を育てて暮らしている

ご夫婦のお話。

 

という情報だけが入ってたのですが、

映画を観たら、さらに広く深く、いろんな場面が映し出されました。

 

つばた修一さん英子さんご夫妻の歴史、

修一さんのお仕事(とっても職人気質な建築家さんで、)、

英子さんの日常の家事、畑仕事や料理をつくる様子、

なにげないけど、とっても穏やかでやさしいご夫婦の会話、

赤い屋根のあったかいおうちと、森のような庭。

たくさん、たくさん、あったかいものが溢れていました。

 

「都市計画」「マスタープラン」なんていう、

個人的に懐かしい言葉もちらほら出てきてました。

(10年以上前、市役所の「ニュータウン」担当部署でアルバイトしてたのだ)

 

映画のなかで英子さんが言われてたことばに

こんなのがあってね。

 

主人にはきちっとしたもの着せて、きちっとしたものを食べさせる。

そうして一家の主人がよくなれば、まわりまわって、

自分たちもよくなる。

 

その通りだったかどうかは不明だけど。

 

このことばがすごく残ったのね。

 

夫にわがままを言って、

それを叶えてもらって、

愛されているって満足する。

 

ちょっと前から、私にはそんな風に観える流れを

目にすることが増えていて。

自分もそんなことやったりしてたけど、

最近そこに違和感を感じてたのね。

 

英子さんのことばは、

そんな今の私に、

「そこ、ちょっとちがうよね」と

やさしく教えてくれた感じがしました。

 

自分が撮ったヨメのおもろい顔写真を見て、

何度も笑う「うちのご主人」。

 

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映画の終盤。

修一さんが亡くなられるんだけど。

英子さんがお別れのとき、

しずかに語りかけて、

しずかに涙流されていてね。

 

60年も一緒の時間過ごしてても、

やっぱり別れると、さびしいんやね。

 

と、映画は見ていない夫に話すと、

 

60年も一緒に過ごしたから、

突然いなくなると、

さみしいんやで。

 

と夫に言われました。

 

コツコツ、ゆっくり…

 

映画の中で、何度か繰り返され

静かに広がった

樹木希林さんの声。

 

修一さん、英子さんご夫妻のように、

コツコツ、ゆっくり、

これからも夫婦で、時間を重ねていきたいなあと

あれからずっと思っています。