先日、ある人との話を通して、
カウンセリングに対する考え方が気になったという話を書きました。
今日はその続きです。
その人は、カウンセリングのイメージを
「自分の気持ちを否定されて、ポジティブ思考を強制されるもの」
と捉えているようでした。
彼女にとって価値あることは、苦しい時には
「同じ経験をした仲間と共感し合うこと」なのです。
私はカウンセリングといえば共感や傾聴が大切だと思っていたので、彼女の言葉に少し驚きました。
もしかしたら、以前に彼女が厳しい経験をして、
それを面接の場で認めてもらうことができず、
自分の気持ちを変えさせられたのかもしれません。
彼女は「カウンセリングは役に立たない」と言っていましたが、
実は、仲間同士で話し合う「ピア・カウンセリング」というものが存在しています。
彼女が言わんとしている、気持ちの分かち合いや癒やしの場に相当するものではないかと思います。
仲間と同じ目線で話すことで、お互いを助け合うことができるんです。
ただ、ピアカウンセリングだけでは完全に回復することは難しいです。
なぜなら、自分の悩みを全部仲間にぶつけることには、リスクがあるから。
私は以前、臨床の場で集団療法に参加していました。
その経験から、仲間だけに頼りすぎるのは危険だと知っています。
相手もまた、病気や心身の症状の回復に努めている最中の人であり、常に余裕を持って、仲間の話を受け止める余力があるとは限りません。
誰かに過度な負担がかかると、人間関係がこじれたり、それによって自分を更に責めて、症状が悪化することもあるのです。
また、それぞれが置かれた立場や家庭環境も異なるので、
「あの人は良くなったのにどうして私だけ…」といった新たな焦りや悩みを引き起こすケースも。
だから、心の回復には様々な方法があることを
折をみて彼女に話したいと思っています。
後藤 明珠(ごとう みょうじゅ)
元精神科心理士。
一般社団法人 全国仏教カウンセリング協会 仏教カウンセラー
メンタルヘルス・マネジメント2種
NLP、箱庭療法、俳句療法などを学ぶ。
29歳で退職後、カウンセリングルームを開設。
伝統霊氣、現代レイキのティーチャーとして活動。
以後、パラレルワーカーとして働きながら、古神道、祝女修行、密教行者を経て稲荷行者(オダイ)となる。
不可思議な力に依存することなく、
自分の頭で考えて人生を切り開く(自灯明)力を育てる霊性エンハンスコーチとして活動中。