八月も半ば、今年もお盆を迎えた。
仏間にはお盆飾りをし、息子とお墓参りにも行ってきた。
わが家はこの19日に義母の50回忌を迎える。
床の間には洋画が掲げてあるのだが、法事には掛け軸の方がいいと思った。
わが家には日本画は何点も良い物があるが、掛け軸はない。
どうしたものかと考えていると、襖屋さんが取り外して持って行ってしまったので、押し入れも天袋も中が丸見え。
ふと見ると、天袋の奥に長細い箱があるのが見えた。
もしかしたら掛け軸かもしれないと思い、出してみると箱には墨で「三尊佛」とかかれている。
中を見る期待通り、お軸が入っている。
畳の上に広げてみた。
何と三人(?)の仏様が描かれている。
法事にはもってこいのお軸だ。描いたのはどなたどろうかと左下のサインを見る。
「玉景」とある。そしてその下に朱の落款が。見覚えのあるサインと落款。
義父は絵を描いたときも、俳句や狂俳にも「玉景」という雅号を使っていた。
これは義父の作品に違いない!
義父はなくなるその日まで絵筆を握っていたくらい描くことが好きで、毎日描いていた。
遺産相続の時に、義父の描いた作品を色々な方にお配りした。
しかし、そのときにこの絵は出てこなかった。夫も私も、初めて見る絵である。
義母の50回忌に掛けるお軸をと探しているときに出てくるなんて、何だか不思議な縁を感じる。
義母は「上げ法要」に義父の描いた三尊佛に招かれて極楽浄土に迎えられと思えば、何て素晴らしいことか!
法事当日、夫の姉妹夫婦がやってくるが、このお軸を見てなんと言うだろうか?