花の命は短くて♪ | nekoさんのブログ

nekoさんのブログ

時には音楽療法士。時にはコーラスの先生。
ときにはシャンソン教室の生徒。時には自分史・エッセイ教室の生徒。
でもいつもは普通のおばさん。
日々の生活を書き綴っています。

先日のブログに登場した「泰山木の花」。

お寺さんのいらした朝、美しく咲いてくれとても嬉しかった。

20センチほどの大きな真っ白な花、清楚で上品、何とも優雅な花だった。

ところがその翌日、花の中心にあるおしべがポロポロ落ち始めた。

それでも花びらは、真っ白でとてもきれいだった。

その次の朝(3日目)びっくりした。あの雪のように白かった花びらは、土色に変化し始めていた。

愛らしかった少女が、急に年寄りになってしまったみたいで、あまりにも痛々しい!

「花の命は短くて」の言葉の真実を、この目で見てしまった私。

 

ふと思い出したことがある。

義父の生きている頃だからもう三十年も前のことだ。

名古屋まで絵画展を見に行きたいという義父の付き添いで私も出かけた。

私も絵画が大好きなので、義父と一緒に楽しんで見ていた。

その中にちょっと変わった「牡丹」の絵があった(描いた画家の名前は忘れてしまったが)。

その絵の中の牡丹は、少し崩れかけていた。もうすぐ散り始めるのだろう。

「この絵、もう散ってゆく牡丹ですね。どうして咲き誇っているときの姿を描かないのでしょう?」

こう尋ねると、画廊のご主人は、

「そう思うでしょう? でも、崩れかけたこの牡丹も十分美しいでしょ? 散りかけでもこんなに美しいと言うことは、咲き誇っていた時にはどんなに美しかったかと、想像できませんか? 見る人にそんな素敵な想像をさせてくれるんですよ」

そうか・・・・・・そんな見方もあるんだ。

 

そんなことを思い出しながら、変わり果てた泰山木の花に

「きれいに咲いてくれてありがとう!」とお礼を言ってさようならをした。