2月議会で議案質疑を行いました | ますだ裕二「脚下照顧」オフィシャルブログ

2月議会で議案質疑を行いました

こんにちは。

ますだ裕二です。


今日は、2月定例議会議案質疑が行われました。


私からも、経済産業局の対して、質疑を行わせていただきました。


全文は以下の通りです。




(ますだ裕二)
私からは、第5款経済労働費 第2項商工業費のうち中小企業金融対策事業費ついて質問させていただきます。

2020年2月、新型コロナウイルスの感染拡大をうけ、私の地元である名古屋市中区の飲食店には、感染拡大に歯止めをかけるべく、他の地域に先駆けて休業要請がなされ、繁華街の夜の賑わいは失われていきました。

そして、休業要請に応じていただいた事業者には、休業協力金が支給されましたが、その休業協力金の入金までに時間を要したことから、家賃や人件費の高い歓楽街を中心とする飲食店では、家賃や仕入れ先への支払いに困惑する事業者が多く散見されましたが、愛知県や政府系金融機関が実施したゼロゼロ融資をはじめとする各種の特別融資により事業を継続できた事業者も多数存在すると思われます。

他方で、飲食店への休業要請が長期化したことにより、歓楽街を中心とする飲食店の客の流れも変わっていきました。

先日も、錦3丁目を中心とする飲食店組合の話し合いの場に同席させていただきましたが、コロナ前の宴会は17時から、19時から、21時からと、週末になれば3回転はしていたお店も、現在では、18時から、20時からと、2回転はするものの、あまり遅い時間の宴会が少なくなり、2軒、3軒と飲み歩く方もコロナ前には完全に戻っていない状況だとお話していました。確かに、私自身がお招きいただいた忘年会や新年会、団体の懇親会でも、コロナ前までは19時開始であったところが、現在では18時からの開始が多くなり、いわれてみれば、全体的に宴会の開催時間が早くなった印象があります。

何が申し上げたいかというと、2020年2月に始まったコロナ禍において、中小・小規模事業者の資金繰りを支え、雇用の維持や倒産の抑止に大きな成果をあげたゼロゼロ融資、本県の「新型コロナウイルス感染症対応資金」でありますが、制度上の据え置き期間は5年以内となっているところ、実態としては、利用者の5割強が据え置き期間2年以内を選択していることから、ほとんどの利用者の据え置き期間が終了し、昨年から元金の返済が本格化する中で、円安や原材料価格の高騰、人手不足や人件費の上昇、前述したような生活様式の変化等により、飲食店をはじめ、依然としてコロナ禍前の業況に回復していない中小・小規模事業者も多いと聞いています。

それを裏付けるような記事が、2月15日の読売新聞に掲載されていました。その記事は「膨らんだゼロゼロのつけ」と題し、会計検査院の調査でも政府系金融機関が実施したゼロゼロ融資を含む特別融資約19兆円のうち約1兆円が回収不能かその恐れがあることを指摘した内容でもありました。実際に、愛知県でも、令和5年度一般会計補正予算で新型コロナウイルス感染症対応資金融資損失補償費53,892千円を計上しています。この損失補償費は、愛知県信用保証協会の保証を受けてゼロゼロ融資を利用した事業者が返済できないという債務不履行に陥り、保証協会が事業者の債務を肩代わりする代位弁済を行なったにもかかわらず、事業者が破産免責を受けるなど回収不能となったおよそ5億2千万円もの債権のうち、愛知県が負担すべき損失補償として積みあがった金額であります。簡単に言うと、ゼロゼロ融資を受けた事業者から回収できなくなったおよそ5億2千万円の約1割に相当する53,892千円を県費で負担することになります。

なお、その予備軍ともいえるゼロゼロ融資で保証協会が事業者の肩代わりする代位弁済に移行している債権は、2020年度が27件で4億1,200万円、2021年度が179件で22億9,500万円、2022年度が437件で54億2,500万円、2023年度は12月末の時点で458件で60億4,000万円と年々増加しており、その債権の累計は1、101件、総額141億7,200万円と聞き及んでいる中で、このままでは、来年度以降さらに代位弁済が発生し、愛知県が数億円の多額の損失補償負担を行なわなければならなくなると推察されます。そうならない為にも、いまだ業況の回復していない事業者に対し、資金繰り支援とあわせて専門家のサポートによる経営支援と両側面から支援策を講じていかなくてはならないと思います。

そこで、お聞きいたします。
愛知県では、ゼロゼロ融資の返済本格化に備え、据え置き期間を短く設定した事業者や業況の回復していない事業者が代位弁済に移行しないためにも、ゼロゼロ融資の借換えに対応している「サポート資金【新型コロナ借換】」の取り扱いを来年3月末まで延長することとしておりますが、この資金を利用して借換える際にはどのような条件を付しているのか。

また、こうした厳しい状況にある中小・小規模事業者の業況回復には、経営者の営業努力はもちろんのこと経営改善に向けたアドバイスやサポートが必要であり、資金繰り支援策だけでは不十分であると認識しておりますが、資金繰りのほかにどのような支援を行なっているのかお伺いいたします。

最後に、万が一、県の制度融資を利用した事業者が代位弁済に移行してしまった際、どのような取り組みを行なっているのかお聞きいたします。



(経済産業局長)
サポート資金【新型コロナ借換】を利用してゼロゼロ融資を借り換える際に、どのような条件を付しているのかお答えします。

まず、事業者自らが、経営の現況や経営上の課題点を踏まえ、今後の具体的な改善策についての事業計画書を作成することが利用の要件となっております。

また、金融機関にも、事業者に対する半期毎のモニタリングを通じて、事業者の経営課題等を把握することを義務付け、金融機関と信用保証協会が、事業者支援の方向性のすり合わせを実施することを求めております。

このため、借換えを通じて、事業者が金融機関と信用保証協会の支援を受けつつ、着実な経営改善を目指す制度となっております。

 次に、経営改善に向けたアドバイスやサポートが必要な事業者に対して、資金繰り支援のほかにどのような支援を行っているのかお答えします。

愛知県信用保証協会では、経営改善に努力している事業者を支援するため、事業者と取引金融機関、保証協会が一堂に会する「経営サポート会議」を必要に応じて開催し、経営改善計画の合意形成に向けた情報共有や意見交換を通じて、最終的には借換えや条件変更等の金融支援の実行につなげる取組を行っております。

また、あいち産業振興機構には、金融機関OBを始め様々な経営課題に対応する専門家を配置した無料の相談窓口「エキスパートあいち」を設置しておりますが、今回のご指摘を受けて、同機構のホームページにゼロゼロ融資等の返済についても相談できる旨を掲載するなど、一層の利用促進を図ってまいります。

こうした取組を通じて、県内中小・小規模事業者の経営改善に向けたアドバイスやサポートを行い、経営の先行きや借入金の返済に不安を抱える事業者が、しっかりと事業を継続していけるよう支援してまいります。

最後に、県の制度融資を利用した事業者が代位弁済に移行してしまった際に、どのような取り組みを行っているのかお答えします。

代位弁済は、金融機関から融資を受けた事業者が廃業や破産などにより返済に支障が生じ、金融機関、信用保証協会双方が、最終的に正常化が見込めないと判断した場合に、金融機関の請求に基づき信用保証協会が行うものです。

 しかし、代位弁済となった事業者の中には、営業を続けながら事業再建への意欲を持っている場合もあります。
このため、愛知県信用保証協会においては、コロナ禍による代位弁済の増加を見越して、2022年度から、代位弁済となった案件のうち事業を継続している事業者については、事業再生に向けてきめ細かく対応するため、保証協会債権回収会社、いわゆる「サービサー」など外部にその管理を委託するのではなく、個社の状況に精通している協会自らが直接管理することといたしました。

具体的には、本業の売上により継続的な弁済ができるかどうかなどを基本的な判断要素とし、加えて、弁済計画の履行状況や経営状況を中・長期的なスパンで見極め、再与信が適当と判断される場合には、信用保証協会が持つ事業者への求償権を消滅させるといった措置を講じております。
こうした取組を通じて、一社でも多くの事業者を再生させることにより、飲食店など商業活動の活性化や地域経済の発展に努めてまいります。

中日新聞(3月9日朝刊)でも取り上げられました。