視覚障がいのある方の支援策について
視覚障がいのある方の支援策について
こんばんは。
ますだ裕二です。
今日は、本会議で、視覚障がいのある方の支援策について質問させていただきました。
質疑は以下の通りです。
(ますだ質問)
歳出第4款福祉医療費 第5項障害福祉費のうち、障害者地域生活支援事業費に関連して、特に視覚障害のある方への支援について、質問いたします。
視覚障害のある方への支援につきましては、私は2021年(令和3年)9月議会の一般質問及び、福祉医療委員会において質問いたしました。
その際には、視覚障害のある方が安心して外出できるような支援策に力を入れなければならないとして、一般質問では、歩行者用信号機におけるスマートフォンを活用した高度化PICSの導入について、福祉医療委員会においては、視覚障害のある方がスマートフォンを活用するための支援策について、質問をいたしました。
今回の議案質疑におきましても、視覚障害のある方への支援策について、改めてお聞きしたいと思いますが、今回は、より幅を広げ、視覚障害のある方への生活支援の観点から質問させていただきたいと思います。
近年は高齢化に伴い、視覚障害のある方においても高齢者の割合が増加しており、その結果として、中途失明者の方が生まれつき視覚障害のある方よりも多くなっていると伺っております。その原因疾患の第1位は、緑内障であり、その次にくるのが、糖尿病の合併症としての網膜症とのことです。
つまり、視覚障害は、いつ誰にでも訪れる可能性のある障害であり、決して他人ごとではない、ということを知っていただきたいと思います。視覚障害になると生活はどうなるのか、ということです。想像してみてください。今まで見えていた周りの景色が見えなくなる、大切な家族の姿が見えなくなる。これがどんなにつらく、悲しいことなのか。そして、自分がいま、どこにいるのか、身の回りに何があるのか、さらには自分にどんな危険が迫っているのかが、認識しづらくなり、結果として、外出をためらい、家に引きこもりがちになってしまいます。そうなると身体機能も衰えてしまい、場合によっては寝たきりになってしまう、ということも十分考えられます。
しかし、そのような方でも、前向きに、目的をもって、その人らしく地域で生活していただく、地域共生社会の実現のために、様々な支援制度が用意されております。そうした支援のうち、視覚障害のある方の外出を支援する歩行訓練について、紹介させていただきます。
82歳男性、原因疾患は緑内障の中途失明者のケースです。高齢で腰痛があり、白杖だけでは歩行が困難な方でした。そこで、歩行訓練士の支援を受け、普段使いなれている、両手で持つウォーキングポールに白色の反射テープを貼り付けて、歩行訓練を行いました。その結果、寝たきりになる手前の状態から、ポールを使っての外出が可能な状況まで回復され、その後は通い慣れたクリニックへ公営の循環バスに独りで乗って通院できるほどになりました。さらに視覚障害のある方の読書用機械の操作方法もマスターし、生きる気力が湧き、生活スタイルにも大きな変化が起こった、とのことです。
このように、視覚障害のある方が自分自身のこれからの人生に、文字通り明かりを見出し、前向きに地域で暮らしていくためには、本人のやる気を引き出し、サポートする仕組みが必要であり、「誰一人取り残さない愛知県」を作っていくためには、非常に重要な取組であると考えます。
そこでお尋ねします。
視覚障害のある方が地域で自分らしく暮らしていくために、どのように取り組んでいかれるのか、お伺いします。
(福祉局長答弁要旨)
視覚に障害のある方への支援についてお答えをいたします。
視覚に障害のある方が、社会参加を通して生きがいを持ち、前向きに生活していただくためにも、障害の特性に応じたきめ細かな支援を行っていくことは大変重要であると考えております。
障害福祉サービスを担う市町村では、視覚に障害のある方に対して、現在の見え方を確認した上で、聴覚や触覚など、他の感覚で補う自立訓練や、支援員による外出時の同行援護など、利用者の状況に応じた支援を給付するほか、それぞれの市町村の判断で、歩行訓練など、地域の実情に応じた生活訓練事業を実施しており、県においては、こうした市町村に対し、助成を行っているところであります。
また、本県では、専門的、広域的支援としまして、視覚に障害のある方向けの「ICTサポートセンター」を2ヶ所設置し、ICT機器の利用相談や訪問指導、講習会等を実施しております。
さらに、豊橋市内にある県立の点字図書館であります「明生会館」においては、視覚に障害のある方の読書等をサポートする、点訳・音訳奉仕員の養成や、スマートフォンの操作方法を教える当事者の育成にも取り組み、地域で活躍する支援人材の確保にも努めております。
視覚に障害のある方に、住み慣れた地域で安心して暮らしていただけるよう、引き続き、市町村と連携しながら、こうした取組を着実に実施してまいります。
【ますだ要望】
視覚障害のある方が地域で生活していくためには、点訳奉仕員や音訳奉仕員など、様々な分野の方のサポートが必要であり、県民の皆様にもそうした方々の必要性を理解していただくことが大切です。中でも、質問でご紹介しました、歩行訓練士の役割は非常に重要でありますが、歩行訓練士は、全国的にも数が少なく、本県でも10人に満たない人数であるとお聞きしております。
歩行訓練士をはじめとする、視覚障害のある方を支援する人が少しでも増えていくように、県として取り組んでいただきますことを要望して、質問を閉じます。