レスリング界への提言〜僭越ながら・・・その1 | 増田 章の「身体で考える」〜身体を拓き 心を高める
レスリング界への提言~僭越ながら・・・その1

レスリングのオリンピック種目からの除外についての報道は、レスリング関係者のみならず、外部の人達にも、青天の霹靂だったと思います。

レスリング競技は、1896年のアテネ大会から始まり、オリンピック競技の中でも最も伝統ある競技の一つです。また、数多い日本人金メダリストを生み出し、我が国のお家芸とも評された、オリンピックスポーツです。

そのようなレスリングがオリンピック種目からなくなるというのは、大変な喪失感をもたらすと思います。

しかしながら、空手をオリンピック種目にする事、さらに言えば、新しい格闘技スポーツの創出を研究する者にとって、「オリンピックゲーム(スポーツ)とは何か」を検証するきっかけになりました。

私は、新しい格闘技スポーツを考案するにあたり、レスリングから多くを学びました。その際、レスリング関係者に、多くの助言と協力を得ました。

今回、誠に僭越だとは思いながらも、レスリングとレスラーに尊敬の念を持つ者として、意見を述べたいと思います。

勿論、今回のオリンピック種目からの除外ということに関して、一部、言われているロビー活動の有無というような観点からの意見ではありません。

そのような事は外部の者には、知る由もないからです。又、そのような部分に今回の決定の主原因があったとしても、そこに異議申し立てをしたら、オリンピック自体の権威を失墜させる事になるでしょう。

ゆえに、それ以外で関係者ができうる最善は何かと考えた場合、レスリング関係者以外の人達へのレスリング競技に対する啓蒙活動ではないでしょうか。言い換えれば、レスリングに関する、より深い理解と支持を得るための努力です。

ゆえに、外部から、レスリングの良点を踏まえて、意見を述べる事は、必要な事であり、悪い事ではないと思うのです。

さて、本題である具体的な提案の前に、オリンピック種目(オリンピック競技)にふさわしい競技の要素とは何かを考えて見ました。

結果、①勝敗(ルール)がわかり易いこと。②エキサイティングでありながらも安全性が担保されていること。③勝負哲学に普遍性があること等のキーポイントが浮かび上がりました。

(明日、本題に入ります)



$増田章の『身体で考える』