江戸川区議会議員 桝秀行のブログ

【令和2年10月12日】

 

 今回の決算特別委員会における質疑の中で、江戸川区役所内に新たなルールが設けられた事が明らかにされました。これは、私が2月の予算委員会で指摘し、改善を要望していた内容だけに迅速な対応と充実した内容にはとても感心しています。

 

予算委員会における指摘

●公務員である職員と民間企業が癒着しないよう厳格なルールを設けよ

 予算員会では、現職の国会議員が、IRに関わる企業側から金銭の授受があったのではないかという疑いから逮捕に発展した“IR汚職事件”を例に挙げ、今後江戸川区でも新庁舎建設を目前に控え、業者との接触に際し、汚職を防ぐためのルールはあるのかと問いました。

 それは、新庁舎の建設ともなれば数百億円の事業規模になりますので、数多くの業者があの手この手で区のキーマンと思われる人物に対して接触してくることは容易に想像できます。もちろん業者にとっては営業手法の一つですから法律に反しない限り当然の行為でもあるわけです。

 

 

この時点でのルールは?

●今のルールで防げるか?厳格なルールは職員の立場を守る事にもつながる

 では、現行のルールはどのようなものか?当時の答弁では地方公務員法、汚職防止の手引きがあるというものでした。しかし、これらの内容は一定の指針を示すにとどまり、例えば利害関係者の定義等はありません。このような状態では、職員も人間ですからちょっとした甘い言葉になびいてしまいかねないというものです。

 

新たなルールはどのようなものか?

●新たな指針の制定、服務規程の改定、懲戒処分の指針を改定

 まず、利害関係者を明確に定義した指針が新たに制定され、ここには職員の遵守事項から禁止事項、または上司の承認に至るまでビッチリと規定されています。特に、利害関係があった者との接触は過去10年に遡り、相手を利害関係者とみなすなど厳しい内容になっています。

 次に、従来の懲戒処分の指針に対し、利害関係者からの利益供与や便益供与には厳しく対処る旨追加されました。また、服務規定も改訂され『利害関係がある者との接触規制』が新たに追加条項として記されています。

 

 新たな指針では、

 ・在職中に再就職の約束をする(就職活動)

 ・金銭の貸付

 ・無償で物品や不動産の貸し付けを受ける事

 ・パーティや会食・ゴルフ・旅行等を共にする事は上司の承認が必要

など、しっかりと明記されているようです。

 

 私は民間で営業してきた経験がありますが、お中元やお歳暮を贈ったり、食事を提供したりするのは当然のこととして行っていました。ただ、こうした行為は相手が公務員である場合には少し考える必要があるわけです。また、最近は民間でもこうした行為を禁ずる企業も増えてきているようです。民間でも役所でも取引は『フェアにいこうぜ!』というのは時代の流れなのでしょうね。

 

 尚、斉藤区長は当時の答弁で、ルールが必要ではあるという前提に立ちながらも、『事業者の皆さんと情報交換を行ったり、新庁舎建設に向けて知恵も力も借りていかねばならず、公務員倫理との整合性を図っていく。』と答えられています。

 まさにその通りです。今回の私の指摘と要望は、整合性のポイントをもう少し厳格にしてはどうか?というものでした。

 

 

 

*江戸川区服務規程より

 

【令和2年10月12日】

 

先日の決算特別委員会(都市計画費)の審議における私の発言の趣旨を整理してお伝えします。ちなみにこのテーマは過去の区議会でも取り上げられた記録は見当たりません。

 

私の指摘ポイント

●東京港の港湾区域に江戸川区沖が入っていない

 赤線が現在の都の港湾区域線、一目して分かる通り、荒川右岸で仕切られているため江戸川区沖が区域外となっています。この港湾区域戦は、本来であれば陸上の都県境である旧江戸川の青線の位置にあるべきです。しかし、この青線は『港湾区域の予定線』とされているに過ぎないのです。

 現在のこの状態は赤線と青線の間は東京港の港湾区域でもなければ千葉県の港湾区域でもない、という事になります。従って、東京都による港湾計画がなされるはずもないのです。

 

だからここが問題

●その為、江戸川区沖の港湾計画がなされない

 港湾区域線が定められたのは昭和26年であり、それから70年間この状態が続いている事になります。そこで問題となるのは、『港湾計画がなされない』という点にあります。世界に誇る東京湾であり、港湾開発は将来に渡って進めていく必要があります。しかしながら以下の図で一見できるように江戸川区沖だけスッポリと空白区域になっているのです。

 

江戸川区は都に主張せよ

●まずは港湾区域に指定してもらう事

 それでは、この現状をどのように受け止めるべきなのか?70年以上もの間、計画から除外されてきたわけですから、今から区域に指定してもらっても、他の地区との開発バランスを考慮すれば、即座に計画開始というわけにはいかないでしょう。また、今では葛西沖には自然豊かな葛西臨海公園・海浜公園が広がっていますので、この周辺の緑を破壊するわけにはいきません。しかしながら、更にそこから沖の開発は十分に検討されるべきです。開発の是非を含め、まずは検討課題として東京都に認識してもらわねばなりません。

 

↓この図を見て不自然に思わずはいられません

 

*東京港港湾計画図 東京港便覧2020より 

 

【令和2年5月18日】

 

新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、政府は様々な対策を打ち出していますが、そのほとんどは『金銭的補償』という内容になっています。しかし、経済対策にはお金を配る事だけではなく、『規制緩和』によって効果に期待が持てるものもあります。

 

今回は、江戸川区が条例(江戸川区の住宅条例)によって建築物に義務付けている規制について取り上げます。江戸川区の地主さんや不動産業者、建設業者やデベロッパーとして江戸川区に関わっている方は誰もがご存じの条例です。

 

そうです。23区でも突出して厳しい制限が義務として課せられている条例です。特に新たに土地開発を検討する際、あるいは相続によって土地の有効活用を考える場合などに問題化するのが以下の2点です。

●駐車場扶持義務

●70㎡規制と言われる住戸面積

 

ナゼ、問題化するのかと言えば、近隣自治体と比較して厳しい内容だからです。更に付け加えれば、条例の目指すゴールに共感しにくいからと言ってよいでしょう。

 

さて、他区と比較してどれくらい厳しいのかと言えば以下の図のようになります。これは実際に区内にマンション建設を検討している方からお借りした実例です。足立区の条例規制によって建設すれば72世帯のマンションが建設できるのに、江戸川区の条例に従うと47世帯しか建設できないというものです。

これは、駐車場の扶持義務が大きく影響していると言えます。つまり、江戸川区では駐車場をたくさん設けなさいという義務があるために、住居面積を大きく取れず容積率を効率よく消化できないというものです。同じ東京23区東部の地域であるにも関わらず、足立区と江戸川区というだけでこれだけの差が生じている事に疑問が生じて当然と言えるでしょう。私の議会における質問に対して区は、『ファミリー世帯がゆとりを持って住み続けられる街づくり』を念頭においた条例であり、内容も街の実情に合わせて適正に運用されている。と言います。

区の見解と、民間の不満は真っ向から食い違っているではないですか。だったら区は定量的な検証を実施しその結果を公に示すべきです。これだけの大きな制限を課し、民間に経済的デメリットを与えているのですから。

 

 

 

 

 

 

さて、もう一つ具体的な例を見てみます。下図は実際に江戸川区内で建設された建物の図面です。この建物には7台の駐車場が義務付けらていますが、竣工後、この駐車場はほとんど使用されていません。つまり、この建物は誰も使わない駐車場の設置を義務付けられ、更にそれをコストを掛けて維持していかねばならないのです。こうなると、非効率、不経済、無駄、と見られても仕方ないでしょう。

図の右側にある赤枠をご覧ください。例えば近隣の自治体並みの規制内容を想定し、7台のうち4台分の駐車場を他の用途に利用できたとします。

(江戸川区では7台の設置が義務付けられていても他区では4台で済むケースを想定)

ここでは38.5坪の土地に店舗を建設したと想定しています。駐車場だけで運営した場合、満車想定で月額92,000円の収入になります。しかし、店舗を建設し貸店舗にした場合は577,500円の収入になるという計算が成り立ちます。

 

これをどう考えるかです。

 

まず、マンションの管理組合や、賃貸マンションや商業ビルのオーナーであれば収入に大きく響いてきますし、投資家の立場から見れば収益率が変わってきます。つまり投資効率という観点からすると、土地を駐車場として寝かせてしまう事は非効率という事になります。また、社会経済の発展という観点にたてば、なおさら駐車場よりも店舗の方が良いですよね。38.5坪ともなれば、焼き肉屋さんでも美容室でもオフィスでも可能になり、そこに雇用も税収もGDPも生まれる訳ですから。

 

更に、駐車場の扶持義務の歴史は古く、遥か昔、青空駐車が社会問題となっていた時分に設けられたものです。現代では青空駐車はなくなり、車の所有についても多様化しています。時代と共に環境は変わっているわけですから、その街の実情に合わせた規制へと見直しを行うのは当然と言えます。

 

 

 

 

 

ついでに2020年における江戸川区の土地公示価格を見てみます。以下の通り東京都全体で25番目です。23区で比較すると足立区に次いで下から2番目となります。江戸川区の土地の価格が比較的安い原因の一端が、不動産の有効活用を妨げる規制条例にあるのかも知れません。

上図は、江戸川区の土地価格について直近10年ほどの推移を示したものです。2010年ころまでリーマンショックの影響を背負っていましたが、2014年からは土地価格も上昇に転じています。さらにこの4年間は政府日銀が掲げるインフレ目標の2%を上回る数字で価格が上昇しています。デフレからの脱却という観点からも、現在の価格上昇の現象は区内経済にとっては、とても良い事だと言えるでしょう。

 

しかし、2021年以降はコロナショックにより大規模ダメージが予測されます。価格は下降していくでしょう。そう考えるのが自然です。

 

そこで行政にできる事は何かあるのでしょうか?という事なのです。金銭的補償や大規模な経済対策は国や都が主導して行うものであり、財政的に余裕がない自治体に出来るものではありません。そこで自治体は独自に何かできる事がないかを考えねばなりません。私はそれこそ『規制緩和』だと思うのです。

今回取り上げた区の条例規制の緩和という提言は、これまでにも議会を通じて幾度も行ってきました。区側からは前向きな回答を引き出せていませんが、今回のタイミングで実施されればコロナ対策にもなり得るわけで、今一度このタイミングで区に提案する事としました。